ポチャンと彗はお風呂に浸かる。
 ふぅ…と今日の疲れを一気に出すかのように、大きくため息をつく。
「今日も色々あったな…」
 円花との買い物を見られたこと…。
 円花と一緒に昼寝をしたこと。
 円花が料理を出来ることを知ったこと…
 こうやって考えてみると、円花関係のことばかりだった。
 それに自分で気付き、フッと彗は微笑を浮かべる。
「円花のことばっかりだな。俺は…」
 彗の生活の中に突然入ってきた円花。
 しかし、今となっては彗の生活には円花の存在はなくてはならない存在となっていた。
「……」
 考え事をしていた間に、結構な時間が経ってしまったようだ。
 彗はザバッと浴槽から出た。

 円花が風呂に浸かり始めてから、数十分が経つ。
 円花も女の子だ。
 きっと、お風呂は好きなんだろう。
「先に寝る準備でもしておくか…」
 そういって、彗は自分の部屋に向かう。
 しばらくして…。
「彗さん、お風呂の電源は…って、あれ? 彗さん?」
 円花がお風呂から戻ってきた。
 しかし、円花の視界に彗の姿は見えない。
 彗は恐らく自分の部屋にいるのだろうが、そんなことを円花は知らなかった。
 とりあえず、彗が来るのを待つことにしたが、数分経つと眠気が円花に襲い掛かる。
「ふぁぁぁぁ…、眠いです…」
 一欠伸するが、眠気は一向に覚めない。
 テレビでも見て、眠気を覚まそうと円花は思ったが…やがては睡魔に負け、そのままソファで眠ってしまった。

(そろそろ戻ってきたか?)
 自分の部屋から居間に戻ってきた彗の視界に、グッスリと眠っている円花の姿が写った。
 近寄ってみるが、すでに深い眠りについているようだった。
「…仕方ないな」
 このままでは、円花は風邪を引いてしまうかもしれない。
 そう考えた彗は、円花を抱っこするかのように抱き上げた。
 そして、そのまま彼女を彼女の部屋へと連れて行く。
 円花の部屋についた彗はベッドに彼女を横たわらせた。
 そして、掛け布団をかけ、一言。
「お休み。円花」
 と、言って、彗は部屋を出る。
 その瞬間、彼女の寝顔に笑みが浮かんだようにも見えた。

 …いつもがこんな毎日で、そして明日が始まる。
 …繰り返しの毎日だけど、まったく飽きてこない。
 …不思議だけど、俺は円花といるおかげだと思うんだ。
 …円花といると、毎日がとっても楽しい。
 …でも、円花本人には絶対に言ってやらない。
 …恥ずかしいからな。
 …それじゃあ、おやすみ。いい夢を。

終了

 …長かった。スタンプデッド長編。終わり方、微妙です…。
 こ、今度もまたがんばります!!
 それでは!