植木のドンと来い!ラジオ
「ラジオをお聴きの皆さん、こんばんは。この番組は植木のドン…」
「小西のラジオだ」
「被せないでよッ!? っていうか、植木のドン小西のラジオって何よ!?」
「ファッション番組?」
「ファッションセンスの欠片もないあんたが?」
「酷い言い様だな…」
「事実だからしょうがないじゃない。まぁ、いいわ。改めまして、この番組は…」
「ところで、森」
「何よ? 早くタイトルコールしたいんだけど」
「…ドン小西って誰だ?」
「って、知らんのかいッ!? あんた、さっき小西って被せてきたじゃない!!」
「そうだっけ?」
「それにあんた、ドン小西が分かってるからファッション番組って言ったんじゃないの?」
「いや、小西って言ったらファッションだろ」
「いつ、小西=ファッションになったのよッ!? 日本中の小西さんに謝れ!」
「ごめんなさい」
「素直でよろしい」
「って、右のメスゴリラが言ってるぞ」
「…………」
「…………(あれ?)」
「…………」
「……おーい。メスゴ」
「それ以上言ったら、今すぐテメェを消す」
「ヒィッ!? て、てっきり聞こえてなかったのかと思ったぞ」
「うーん? 何のことぉ? 私、何にも聞いてなかったわよ。な・ん・に・も」
「……さっき、思いっきり反応してたじゃねえか(ボソッ」
「なんか言った?」
「イイエ、ナニモイッテオリマセン」
「よろしい。…ったく、せっかく3年ぶりの放送なのに、酷い始まり方だわ」
「は? 300年ぶりだろ? 何言ってんだ」
「そんなに経っとらんわ!? 植木、あんたメガサイトに100年いたからって、時間の感覚が狂ってるんじゃないの!?」
「何言ってんだ、森。俺は正常だぞ」
「どこに自信を持って、そう言えるのよ……」
「森」
「何よ」
「って発音するだけで、2年経った」
「それを異常って言うのよおおおおおおッ!? っていうか、1語1年カウントなの!? あんた、どんな時間間隔してんのよッ!?
「いや、森が反応するのが遅いから」
「……(ビキッ)」
「…………」
「…………」
「…この流れ、多いな」
「だ・れ・の・せ・い・か・し・ら・ね!」
「……森?」
「……3年ぶりじゃなかったら、すぐにでもあんたをデリートしてやりたいわ」
「どうせ番組が終わったら、飛びかかってくるんだろ(ボソッ」
「なにか言った?」
「何も言ってないぞ」
「……まぁ、いいわ。私は心が広いから、今までのことは許してあげる」
「ソウデスネ」
「…ところで、どうして3年も期間があいたのかしら?」
「あぁ、それには深いワケが…」
「え? どんなワケが…」
「ない」
「ないんかいッ!? 思わせぶりな発言をするなッ!!」
「いや、単純に編集長が多忙だったかららしいぞ」
「へぇ。編集長も大変なのね」
「まぁ、モンスターだからな」
「…それ、褒め言葉で使ってるの? というか、せめて人間のくくりで例を出しなさいよ…」
「じゃあ、も…」
「私をあんな下等生物と一緒にするな」
「下等生物ッ!? 俺は『も』って発言しただけだぞ」
「どうせ、私のことだったんでしょ? あんたのことだから、想像がつくわよ」
「いや、モンスターペアレンツ」
「結局、モンスターにしたいんかいッ!? というか、編集長は結婚してないわよ!?」
「モンスターペアレンツに結婚も何も関係ないだろ」
「関係あるわッ!? ペアレンツって両親、っていう意味だから!! 独り身にペアレンツとか、皮肉でしかないわよ!」
「森は物知りだなー」
「ペアレンツの意味も知らずに使ってるあんたはどうかと思うわ…」
「どこかの誰かは下等生物とか言ってたけどな」
「事実だからしょうがないじゃない」
「そないですか…」
「…そういえば今まで忘れたけど、この番組の主旨って視聴者の皆様からの要望に植木が答える、っていう企画だったわよね?」
「そうだぞ」
「3年ぶりということは、要望は結構貯まってるの?」
「ゼロだぞ」
「ゼロッ!?」
「長い間放置してたら、データが消えてしまったんだって編集長が言ってたぞ」
「じゃあ、今日の放送はどうするのよ…」
「森は何がしたいんだ?」
「私? …うーん。そんなこと、いきなり言われても思いつかないわよ」
「俺はキスがしたい」
「はッ!? ちょ、ちょっと植木ッ!? そんな、いきなり…」
「マイクと」
「……(ビキッ)」
「……も、森? じょ、冗談だぞ?」
「…あんた、女の子の乙女心を弄ぶなんていい度胸してるわね? ん?」
「ど、どうしてそんなに笑顔なんだッ!? ほ、ほら。せっかくの3年ぶりの放送なんだから、暴力とかやめようぜ?」
「そうよね。せっかくの3年ぶりの放送だもんね。視聴者の方のためにも、たっぷりサービスしないといけないわよね」
「お、おう。だから、な? 暴力は……」
「じゃあ、そのサービスとして。植木」
「お?」
「あんたは一生、マイクとキスしてやがれぇぇぇぇええええ!!」
「ギャァァァァァァァ!? 結局、この終わり方ッ!?」
ドカッ バキッ ゴスッ
「……バカ植木」
終われ
あとがき
お久しぶりです、朔夜です。
リハビリ代わりとして、久しぶりに書かせていただきました。
い、色々と口調とか、書き方とかを忘れていて、この小説を書き終わるのに1〜2時間近く経ってました。
いつものようなノリで書いてみましたが、どう……なのでしょうw
満足していただけたら、幸いです。
2011年3月3日