植木のどんと来い!ラジオ 17


「ラジオをお聴きの皆さん、こんばんは。この番組は植木の」
「・・・待ちなさい」
「ん? 何だ、森。今、タイトルコール中なんだから、静かにしてくれ」
「・・・あんた、ここで何をやってるの?」
「ラジオ放送」
「・・・オーケーオーケー。植木、少し落ち着いて話をしようじゃない」
「俺は落ち着いてるぞ?」
「何で落ち着いてるのよ!? あんた、ここをどこだと思ってるの!?」
「え? 居間?」
「・・・誰の家の?」
「俺とも」
「それ以上は言わなくていい!! ・・・その様子だと、どうやらあんたの頭は正常のようね」
「俺はいつでも正常だぞ」
「・・・その言葉を聞いて、何人が鼻で笑ったでしょうね」
「ひでぇことを言われた気がするぞ・・・」
「気のせいよ。で、何であんたはわた・・・コホン。ここでラジオをやってるの? わざわざ高価そうな機材まで持ち込んで」
「え・・・?」
「何よ。その、信じられないものを見るような目は」
「お前、本当にその理由が分からないのか?」
「・・・? 分からないわよ。どうせ編集長の差し金でしょ?」
「(この前の放送で、ラジオ局を木っ端微塵にしてたのはどこの誰だよ)」
「・・・何か聞こえた気がするけど」
「いや、何も。今はスタジオが使えない状態だからな」
「へぇ。何かあったのかな? 私たち以外の放送も控えてるのに大変ね」
「(森の奴、本当に忘れてるんだな。常にそれぐらいの記憶力だったらいいんだが)」
「何か言った?」
「何も」
「そう。ならいいけど」
「そういえば森は、風呂上がりなのか?」
「え? ま、まぁ、そうだけど。それがどうしたの?」
「ふーん・・・」
「な、何よ? あんまりジロジロ見ないでほしいんだけど・・・」
「・・・はぁ」
「な、何よ、そのため息は」
「いや、別に」
「気になるわね・・・。何か言いたいことでもあるんじゃないの?」
「いや。・・・ハッ!」
「な、何?」
「そうか! 揉めばいいのか!」
「は、はぁ? 何の話よ」
「森」
「何よ?」
「ちょっとあっち向いててくれないか?」
「・・・何かすごく嫌な予感がするんだけど」
「大丈夫だ。すぐに終わるから」
「・・・まぁ、別にいいけど」
「・・・・・・」
「・・・ん。これでいいの?」
「おぅ。じゃあ、少しガマンしろよ」
「ガマンってな・・・ひゃぁ、っ!? ちょ、ちょっと!?」
「ん?」
「い、いきなりなにす・・・ふぁ、っ」
「何、って。揉むって言ったじゃん」
「い、言ったじゃん、じゃ・・・ない、わよ!? て・・・ッ、手離してよ!」
「やだ」
「やだじゃな、ん・・・っ」
「んー・・・。やっぱり、直の方が良いのか?」
「そんな問題じゃ・・・え?」
「森、脱がすぞ」
「ちょ、ちょっと待って!」
「待たない」
「待たないじゃな・・・って、ボタンを外すなあああああ!?」
「何で?」
「何で、じゃないわよ!? ・・・本気、なの?」
「おぅ」
「・・・う、うぅ」
「それに、視聴者からのリクエストだからな」
「リクエスト・・・?」
「さっき読んだやつが『森ちゃんを後ろから攻める植木くんが見たいです♪』って書いてあったんだ」
「そうなんだ・・・。って、まさか今、マイクのスイッチ入ったまま!?」
「・・・? そりゃあ、ラジオの放送中だし」
「放送してる時に、こんなこと・・・や、っ。い、言ってるそばからじ、直に触らないで・・・」
「さっき、触るって言ったぞ」
「言えばいいわけじゃないわよ!? それに視聴者の方にこんな声、聞かれたくな・・・あ、っ」
「・・・・・・」
「・・・うえ、き?」
「ちょっとむかついた」
「え・・・?」
「・・・今日のラジオ放送はもうやめる」
「そ、そう・・・。で、でも勝手に終わったらいけな」
「だから今日は、森を独り占めする」
「・・・は、はぁ!? ちょ、ちょっとあんた、いきなり何言って・・・んっ!」
「そんな声を出す森が悪いんだからな」

ブツッ

終われ

あとがき
ラジオシリーズにあってはならぬほどの甘さ・・・。いや、エロさ?(オイ
というか、今回は植木に主導権を握らせようと思いつつ、二人が実は同棲設定にしつつ、かつリクエストを適用したらこうなっちゃいましたよっ!?
なんというか、テンポが早すぎたかなぁと後悔していたり。まぁ、でも久しぶりにここまで甘い作品を書けたので満足してますw
そろそろタッコクを織りまぜていきたいですね( ̄ー ̄)ニヤリ
では、本日はこれにて〜。