うえきのドンと来い! ラジオ その2

「こんばんは、視聴者の皆さん。ニュースの時間だ」
「違うでしょうが!?」
「報道の時間だ」
「変わってないわよ!? 植木のドンと来い!ラジオの時間でしょうが!!」
「そういえば、そうだったな」
「って、あんた、今まで素で間違えてたの!?」
「うん」
「肯定するなッ!! さっさと進めろ!」
「えー、この番組は皆さんからの要望に植木くんが答えるという素晴らしい番組です」
「では、本日のお手紙は…。って、ちょっと待って」
「ん? 俺、何か間違えたか?」
「どうして、あんたは番組の名前は覚えてなくて、企画はちゃんと憶えてるのよッ!?」
「だって、前は面白かったし…」
「つまり、番組の名前はどーでもいいわけね…」
「うん」
「そこも肯定するなっ! と、とりあえず今日のお手紙は…」
「ん? どうした? 森。固まって…」
「ねえ、植木。今日だけ、私途中で抜けたらダメ?」
「…ダメだって編集長がペケサインを出してるぞ?」
「……植木、あんたが変わりに読んで」
「おう。分かった。えー…『植木くんと森さんがキスしてください』…です」
「…あんた、よく普通にいえるわね…。恥ずかしいって思わ…、って、何で近づいてくるの!?」
「いや、だって、やれって言われてるし」
「嫌! 絶対に嫌! 第一、今は放送中よ!?」
「放送中じゃないとダメじゃないのか?」
「そういう問題じゃなくて!! 公共の放送でそんなのを流すってこと自体が間違ってるんじゃないかって…」
「時間ないし、そろそろ行くぞ」
「ちょ、ちょっと待ってって…んっ!?」
「ん? そういえば、舌は入れるべきなのか?」
「そ、そんなこと聞かない…ん、んっ!?」

ここからは森の心の声になります。
(編集長からの指令)
「な、何よ。こんなときに…え!?」
(放送時間延長してもらったから)
「何でそんなことすんのよ!?」
(視聴率が過去最高を記録したもんで…)
「関係ないじゃんッ!? っていうか、放送局も許可しないでよ!?」
(放送局の人は『Oh.Yeah!』って答えてくれました)
「どこの放送局よ、それは!? 絶対に日本の放送局じゃないでしょ!?」
(とりあえず、放送終了までこのまま続けてね)
「ちょッ!? ふざけんじゃないわよ!? 来週から深夜放送に…」
(大丈夫。来週からはゴールデンになるから)
「何でッ!? やっぱり放送局おかしいわよ!」
(それでは、がんばってちょんまげ!!)
「ふざけんなッ! 編集長ぉぉぉ!!」

「…ということで本日も終了の時間を迎えました。植木のドンと来い!ラジオ。また今度…」
「絶対に来ないわよ! 絶対に私は来ないわよ!!」

終了