植木のドンと来い!ラジオ

「……」
「……こんばんは…。植木のドンと来い!ラジオの時間だ…」
「…ねぇ、ちょっと待って。何で今日、こんなにスタジオの雰囲気が暗いのよ」
「それは…あれを見れば分かる」
「ん?」
(今日は、ひぐらしのなく頃に、からのゲストが来てるんだよ!!)
「なるほど…。恐怖のサウンドノベルと有名な、ひぐらしのなく頃に…からねぇ。私やったことないけど、本当に怖いの? あれ」
「怖いのレベルじゃない。…やってる最中、後ろが見れなくなるほど、恐ろしいんだ」
「…大げさすぎるんじゃないの?」
「…森、今度貸すからやってみろ。お前も分かる」
「そう? それなら、ありがたく借りておくけど…」
(そろそろ、進めてください…)
「今日のゲストは『ひぐらしのなく頃に、から、前原圭一さんと竜宮レナさん』です…。どうぞ…」
「植木、あんた、さすがにそれは失礼すぎるわよ…。紹介ぐらいは普通にしなさいよ。普通に…」
「…おう。じゃあ、改めてどうぞ」
バタンッ!
「前原圭一だ。よろしくな」
「竜宮レナだよ。今日はよろしくね」
「…なんだ。いたって、普通の二人じゃない。ほら、植木。司会司会」
「お、おう…」
「…なんでそんなに怖がってるのかな? …かな?」
「それは…レナ。多分、お前のせいだと思うぞ」
「え? それは、どうしてかな? …かな?」
「…いや、やっぱり何でもない」
「…?」
「…とりあえず、二人とも今日はよろしくね」
「おう。よろしく」
「よろしくね」
「それじゃあ、早速だけど…自己紹介してもらっていい? きっと、分からない人も多いと思うから…」
「自己紹介か」
「いきなり言われると…困るかな。…かな」
「それもそうね…。じゃあ、簡単でいいからお願いできる?」
「…分かった。レナもいいか?」
「うん。簡単にだね。それなら、大丈夫かな。」
「じゃあ、圭一さんから」
「…コホン。えっと、俺の名前は前原圭一(まえばらけいいち)。元々は東京に住んでたんだが、少し前に雛見沢っていうところに引っ越してきたばかりだ」
「なるほど…。つまり、その雛見沢っていうところが、ひぐらしのなく頃に、の舞台なわけね」
「そういうことだな」
「…簡単すぎたような気もしたけど、まぁ、少しは分かったからいいわ。じゃあ、レナさん。お願いします」
「あ、はい。えっと…竜宮レナです。…一応、ひぐらしのなく頃にのメインヒロインだよ。…だよ。あと…かぁいいものが大好きです」
「か、かぁいい?」
「あ、あぁ。えっと、そこは突っ込まないでくれるか? …多分、基準が分からないだろうから…」
「そ、そう。分かったわ」
「はぅ…。ケンタくん人形、かぁいいよぉ…」
「ケンタくん人形って…あれのこと? あの、店の前においてある…」
「…頼むから、突っ込まないでくれ…」
「わ、分かったわ。とりあえず、こちらから質問するわね。えっと、『レナさんがひぐらしモードになったときの声が、ぜひ聞きたいです!』…って、このひぐらしモードって何?」
「そ、それは…まぁ…その…あれだ。いわゆる暴走みたいなもんだ」
「暴走なんて…圭一くん酷いなぁ。あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは……」
「な、何ッ!? レナさん、どうかしたの!?」
「どうもしてないよ? あはははははははははははははははははははははははははは……」
「悪かった! レナ、俺が悪かった! だから、その辺で止まってくれ!」
「やだなぁ、圭一くん。私、怒ってないよ。あはははははははははははははははははははははははは……」
「レナ、頼むから…って、何でポケットに手を突っ込むんですか? へぇ、ポケットから鉈が出てきたーすごいでしょー…って、物理的にありえないものを出すな!? ちょっと待ってくれ! レナ、本当に悪かった。俺は、レナのひぐらしモードが暴走だなんてこれっぽっちも思っていないから!」
「嘘だッ!!」
「ヒィッ!? れ、レナ許してくれ! 頼むから!」
「ちょっ、れ、レナさん!? 落ち着いて! ここはラジオ局だから!!」
「うっさいなぁ!! ちょっと黙っててくれる!!」
「…な、何。この豹変ぶり…」
「ガタガタガタガタガタガタガタガタ……」
「って、植木!? 一切出てこないと思ったら、あんたいつの間に隠れてたの!?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
「ちょっ、植木!? あんたも落ち着きなさいって!」
「あはははははははははははははははははははははは。圭一くん待ってよー!」
「待って欲しいなら、その鉈をしまえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「それは出来ない相談だよ。…だよ」
「…どうしてだよ!?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
「…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 今日は、ここで放送終了!! え? まだ時間じゃない? 関係ないわよ! 今すぐ放送をきりなさい! いい? これは命令よ! 視聴率減らしたくなかったら、さっさときる!!」
(わ、分かりました…。じゃ、じゃあ、今度の機会に…)
「そう、それでいいのよ! それじゃあ、視聴者の皆さん、来週もお楽しみに!!」
ブツッ

終了