すれ違う想い











〜植木SIDE〜

あいつの笑顔を見ると、一瞬怖くなるときがある。

あの笑顔は、作り笑顔ではないのだろうか、無理をしているのではないか、と。

おれにとって、あいつは、かけがえのない存在。

だから、無理をして笑っていて欲しくない。

今の状況に困っているのなら、無茶をせずに、ふつうの日常に戻って欲しい。

あいつのことが、何よりも心配だ。

あいつが戦っているときも、あいつが負けて死ぬのではないかと、考えたくもなる。

そんなことになったら、おれはおそらく、立ち直れなくなる。

あいつにとって、おれはどんな存在なのかは知らない。

でも、おれは、あいつが好きだ!

何よりも、大事で!

あいつの笑顔を見ているだけで、やる気が出る。

できれば、ずっとそばにいてもらいたい。

でも、あいつがそれを望まないのなら、おれはそれでかまわない。

無理におれにかかわって、危険な目にあってほしくない!

あいつが危険な目にあうのは、見たくもない!

あいつの泣き顔だって、みたくない。

コバセンがおれを助けてくれて、地獄に落ちたとき、自分を励ましてくれたのは、あいつだった。

おれは、その恩返しがしたい。

あいつは、おれが守る!

たとえ、あいつがおれ意外のやつと仲良くなっても、あいつのことは忘れられない。

たとえ、あいつが他の男と付き合っても、おれはかまわない。

だって、いままで危険な目にしかあわせたことがないおれが、“そばにいて欲しい”なんて、いえない。

でも、一度でいいから、お前の本当の声が聞きたいんだ。

お前の本当の思いが知りたいんだ。

教えてくれ。森・・・




〜森SIDE〜

あいつは、あたしを守るために、たくさん血を流したことがあった。

今でも、あたしは、能力があるのに、あいつは守ってくれる。

でも、あたしは、あいつに迷惑をかけたくないの!

あいつが、血を流している姿なんて、見たくない!

あたしのせいで、あいつが、死んだら、あたしは、多分、泣き崩れてしまう。

一生、あんたの影を追うかもしれない。

だって、あたしにとって、あいつは、一番大切な人だから。

どんなときでも、あたしを守ってくれた。

いつもは、マイペースなのに、戦いになると、真っ先にあたしを助けてくれて。

危険なときも、あいつがいてくれたから、生きてこれた。

あたしは、その恩返しがしたいの。

でも、多分あいつは、あたしが、命がけで守っても、それをまた、かばうだろう。

あいつにかばってもらえるのは、この闘いの間だけかもしれない。

あたしは、そんなことになるのがいや!

できれば、あたしは、あいつのそばにずっといたい!

でも、助けてもらってばかりのあたしが、そんなことはいえない。

そんなのは、ただのわがままになる。

でも、わがままでもかまわない。

あいつのそばにずっといたいの。

あいつは、いつもボーっとしていて、危なっかしいし、女子たちにもいじめられてる。

それを、そばで、助けてあげたいの!

あたしが、こんな風に思うのはあんただけなんだよ。

こんな風に、ずっとそばにいたいって、わがままを言うのは、あんただけなんだよ。

もしこの戦いが終わったら、あたしと、あんたはどうなっちゃうのかな?

あんたは、戦いが終わったら、あたしと関係がなくなっちゃうのかな?

ねえ、教えてよ。植木・・・

終了



あとがき
初めて、植木×森のシリアスを書いてみました。瑠花さんに送ります。
瑠花さんのリクエストだったんですが、意外といいものがかけました。
こういうリクエストをしてくれた、瑠花さん。ありがとうございます。
この話の後のことを書いて欲しいのでしたら、ぜひ、掲示板に書いてください。
以上、朔夜でしたー

2004年12月14日