ふたつの気持ち










あたしにとって植木はどんな存在なんだろう。

ただそばにいる人?ううん。ちがう。

守っていてくれる人?たしかにそうだ。

でも、それだけ?あたしにとって植木はそんな存在なの?

ううん。ちがう。絶対にそれだけじゃない。

だって、植木の近くにいるだけで安心できるんだもん

でもなんかちがう。

安心できる代わりにどこか不安もあるの

なんでかな?

わかんない

植木の近くにいると安心するのに、不安になるの

本当はどっちなのかな?

あたしは、どんな風に植木を思っているのかな?

いつも助けてくれた植木。

いつも笑ってくれた植木。

いつも心配してくれた植木。

あたしのために必死になってくれた植木。

いつも無表情なのに、あたしのことになると、植木はまるで性格が変わる。

それってどういうことなのかな?

やっぱり植木はあたしのことが心配なだけなのかな?

ひょっとして、ただ一緒に戦ってるからかな?

もし、あたし以外の人でも、あんなふうに守るのかな?

ああ、わかった。

あたしの中の不安。

植木が、自分のことをどう思っているか恐いんだ。

自分が植木にどう思われているかが不安なんだ。

植木に守ってもらえてるのは、この闘いが口実になっているからかな?

植木のことをいつも見ているから不安になるの。

お願いだから、あたし以外の人を見ないでよ。

あたし、意外と嫉妬深いから、やっぱり不安になるの。

あたしは、たぶん植木のことが大好き。

どんな人に逢っても、植木以外の人には興味がないと思う。

だからこそ、恐いの。

答えを聞くのが・・・

でも、このままじゃいけないの。

このままじゃ、植木はあたし以外の人と仲良くなるかもしれない。

植木のそばにいると安心できるの。

だから、その場所をだれにも取られたくない。

だから、その場所を自分だけで独占したいの。

そんな嫉妬深くて、欲望深い自分が不安。

こんな自分を植木に見せたら、嫌われるかもしれない。

でもさ、やっぱり植木のことがすきなの。

そんなことを思うほど、植木のことが好き。

だから、今度自分の思いを伝えよう。

答えはできれば聞きたくない。

自分の中だけにしまっておきたい部分もある。

でも、いわなきゃ始まらないの。

植木にとってあたしはどんな存在なのかは知らない。

でも、いわなきゃいけないの。

そうじゃなきゃ、一生、植木のそばにいることはかなわないから。

だから、今度言おう。

どんな答えでもいい。

植木のそばにいたいから・・・

終了



あとがき
森の一人称を書いてみました。シリアスですよ。かなり
これも難しかった。書くのが・・・
いろいろと小説を書いていると、こういうのも書きたくなりますね。
以上、朔夜でしたー

2004年12月7日