嫉妬は怖いもの

 

「お前がホントはモテてるってこと、俺がどれほどお前のことを大事に思ってるか、身体に刻み込んでやるから」

 唇を離して、植木は目を鋭くしながら言う。

 森にはその言葉の意味がすぐには理解できなかった。

 息を荒くしながらも、キョトンとした様子で目の前の植木に尋ねる。

「……。どう…いう、意味?」

 そんな森の様子に、植木は態度を変えることなく言った。

「そういう意味だって」

「だから、それが…分かんないんだって……んっ…」

 何かを言おうとする森の口を、再び植木は自らの唇で塞いだ。

 そして、ゆっくりと身体を動かし逃げれないように森の背中を壁へと押し付ける。

「じゃあ、今から分かるように教えてやるからさ」

 植木は徐々に角度を変えて、口付けを深くしていく。

 森は両手で植木の胸を叩いて抵抗しようとするが、そんな抵抗は植木にとってはほとんど無意味なものだった。

 しばらくすると、森の腕からも力が抜け始め、やがてはほとんど抵抗できなくなってきた。

 それを見計らったかのように、植木は森の口の中へと自分の舌を滑り込ませる。

(!?)

 初めてのことに、思わずビクンと森の身体が反応する。

「……ん、ぅ……」

 森の口内を、植木の舌がゆっくりとなぞっていく。

 そして、やっとのことで森は植木に何をされようとしているのか理解した。

 聞いたことはあまりなくても、最近になるとよく友達がそんな話題を出していた。

 だが、自分には関係ないことだと思っていた。

 理由は、植木が奥手だったことと、あまりそれっぽいことすらされたことがなかったから。

 でも、現に今、植木は自分にそれをされようとしている。

 しかも、半ば強引に……。

 そんなことを考えているうちに、植木の舌が森の舌を捕らえた。

 逃げられないように絡め取られ、口内で植木のものと森のものが混ざり合う。

「……んっ。ん、ぅ……」

 逃げようと試みても、すでに森の腕には力がこもらなかった。

 脳が酸欠を訴えてくるが、声を自由に出すことすらできない森は、植木のなすがままの状態になっていた。

 いや、正確には抵抗できないのではなく、抵抗したくないのかもしれない……。

 そんなことが森の頭によぎった。

 

 やっとのことで、植木の唇が森の唇から離れていく。

 ぷはっ。と、やっと満足に空気を吸うことができる。

 だが、そんな時間もすぐに消え去ってしまう。

 植木は、自分の顔を下げていき、森の首筋にゆっくりと唇を這わす。

「ひゃぁ、っ!!」

 思わず寒気が走り、身体をビクンとさせる森。

 そんな森の声を聞くと、植木はニヤリと笑った。

「何だ。ちゃんと感じてるじゃんか。」

「ち、ちがっ……」

 植木の言った言葉に、森は顔を赤くしながら答えた。

 だが、そんな顔をして否定しても、それは肯定のようなものだ。

 再び、植木はニヤリと微笑むと言った。

「じゃあ、否定できないぐらいもっと感じさせてやろうか?」

「えっ?」

 森がそういうのと同時に、植木は自らの右手で、服の上から森の左胸に触った。

「……ん、あ……んっ…」

 いきなりの出来事に、森は対処することが出来なかった。

「だ、ダメ! う……。あっ……んっ」

「何がダメなんだよ。本当はやめてほしくないんだろ」

 植木の手の動きが激しくなってくる。

 それと比例するかのように、森の身体も激しく反応し始める。

「だ、ダメだっ…んっ……。ここじゃあ、みんなに……」

「それなら、森が声出さなきゃいいだけだろ?」

 ごもっとものような、違うような意見を植木は言う。

 そして、ゆっくりと自らの手を森の制服の中へと忍び込ませていく。

「まっ、待ってってば!!」

 思わず森が叫ぶが、そんなことで植木の手が止まるはずがなかった。

 植木は、ゆっくりと手を進めていき、森の下着の中へと手を滑り込ませた。

 そして、自らの手で森の胸を包み込むと、優しく揉み始めた。

「あっ!! んっ……や…ぁ。だ、ダメ……。」

 必死に植木に呼びかけるが、植木が行為を止めるはずがなかった。

 しかも、それを心の奥底で望んでいる自分がいることにも気づいた。

 そんな森の様子に気づいたのか、植木は手を休めることなく森に言う。

「森。お前も正直になったらどうだ?」

「っはぁ……。だ、だからさっきから……」

「身体は嘘ついてないみたいだけどな」

 そう言うと、植木はもう片方の空いていた手も、森の制服の中へと滑り込ませていった。

「なぁ。そろそろ正直に言ってくれよ。してほしいんだろ?」

 思わず森は返答に困った。

 今まで嫌と言ってきたけど、心の中では続けて欲しいと願う自分がいる。

 頭では嫌だと思っているのに、身体は植木を求め続けている。

 まったく考えていることと、行っていることが正反対だった。

 森は、顔を真っ赤にして言う。

「……。うん」

 そんな森の言葉を確認すると、植木の手は再び激しく動き始めた……。

「俺のことしか、見れなくしてやるからな」

 植木の言葉を耳にしたとき、森は身体を植木へと預けた。

 

 

 終了

 

 

 

 あとがき

……。裏ですねぇ。これ。短いしー。

年齢制限が間違いなくついてます。この作品は。

たった一日で書いたという自分も驚きですが、こんな作品になってしまったということにも驚きです。

嫉妬の続編として書きましたが、これはまた続編が出そうな……。

まぁ、いいです。とにかく、読んでくれた人ありがとうございます。以上!