壊せよ壊せと魂が傷んで、癒せよ癒せと心が言った。
 抱え込める度量なんて無い。全ては、壊すために。

 もし世界が灰色ならば、何かを恐れることなど無かったのに。と、呟いてみせる。この俺の場合、嘘ぶいてみせるが正解なのだが。
「おかしいかな・・・・・・?」
と、呟いてみたが、ダメだった。
 今のままがいいと言ったのは俺の方だったのに。親友でいいと言ったのは、俺の方だったのに。
「はっ・・・・・・」
 自嘲的に笑ってみるが、いまいち決まらない。
「好きな奴がいる奴に、俺はどうしてわざわざ告白するかね?」
わらっちまうぜと呟いてみせる。俺に。
「壊したかったのかね・・・・・・?」
親友って言う関係を。
「それとも・・・・・・本音かな」
 幸せそうに話すから、とてつもなく苛立って。
 だからといって・・・俺は泣いて走っていった彼女に、何を言ってあげればいいんだろう。何を言うんだろう。
「好きだったのにな・・・・・・」
 わざと、呟いてみた。
 不思議と、前言撤回する気は起きない。
 そして思い出す。彼女についての、全ての色。
 あの髪は黒に少し茶色が交じっていた。あの瞳は、真っ黒だった。怒ったり恥ずかしくなると赤くなるあの頬。強気に、友達のために啖呵を切ったあの口。悔しがる時、下唇を噛んでいた。爪はピンク色。血が通っていた。そして、狂おしいほど触れたいと思う肌は、白い色。

 公園のど真ん中で立ちつくしている俺を、空を飛ぶ鳥と、砂場で遊んでいる子供が訝しげに見ていた。

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どうも初めまして!初投稿でございます。いつも楽しく読ませていただいております、相川 順ですが、どうにも押さえきれなくなり
投稿させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。