俺の名は神剣析羅(かばやさくら)、西神山(にしかみやま)で暮らしている中学2年生だ。
 実家は総合武術の道場、俺はいつか家を継ぎ、安泰した生活を送るのが夢。
 その為に様々な大会に出場し、名声と家の株を上げ、バイトする事により金を稼いでいる。
 え?中学生でバイトはいかんだろ?ただでさえ身内の稼ぎが少なくて、働き手がいないんだ、それぐらい罰は当たらん。
 だが、
 今日突然起きた出来事はある意味「罰」なのかも知れない・・・。

  第一話・出会い

「・・・なんだコレは」
 バイトも無く、部活もないので、帰路についた俺はある人影を目撃する。
 と、言うより  目が離せない。
(何で家の門前で行き倒れてんだ、コイツは・・・!!)
「・・・・・・」
 行き倒れている奴は、はっきり言って怪しい以外の何物でもない。今まで怪しい物は腐るほど見てきたが、これほど怪しいと言える者は、なかった。
 見た目からすれば多分女、歳は20代後半って所か・・・何でそんな事が判るんだと言うツッコミは敢えてしないで頂きたい。
「・・・」
 俺はしばらく考える。   で、考えた結果。
「逃げよう」
 そう言って俺が門の仕切りを越えようとした瞬間、
「カバヤ・・・サクラ君?ですね」
 行き倒れているソイツの口が急に開いた。図星を突かれた俺は足を止める。
「・・・何者だ、貴様」
 睨む様に相手を見下ろす。女は起き上がって服の汚れを叩き、笑顔で俺を見る。十人並みよりかは良い方だな・・・。
「申し遅れました!私、神候補の真久利(まくり)と申します。以後お見知りおきを」
 そう言って礼をする。角度からすると、普通礼くらいか。
「・・・で?海人草(まくり)とやら、」
「字、違いますよ。」
「何の用で態々行き倒れていた?」
 不愉快な表情で俺は問う。そう聞くと真久利は笑顔で答える。
「析羅さん・・・バトルに参加する気はありませんか?」
 その答えはあまりにも意外過ぎて、
「・・・はぁ?」
 俺は正直呆れてしまった。

  トゥービーコンティニュー・・・