「アンタが神剣析羅(かばやさくら)?」
 屋根から人影が飛び降り、着地する。
 ミニスカートを穿いた、短髪の少女。
「アタシは湯木邑鼎(ゆきむらかなえ)、早速で悪いけど・・・勝負しない?」
 悪いと思ってるなら試合を申し込むな。

  第十六話 女とは怖い生き物だ(今回の感想)

 能力者かと思われる少女・湯木邑鼎は俺に試合を申し込んだ。
 ハッキリ言って迷惑この上ない。
 ただでさえ早く帰らねば・・・早く自分の手で料理をせねば激五味地獄を噛み締める事になる!それだけは(将来の為に)避けたい、絶対に!!
 真剣な表情の俺を見て湯木邑は笑う。
「その顔・・・応じたと見て良いわよね?」
 いや、今のは応じたんじゃなくて・・・
「鉄!!」
 彼女の右手から巨大な大砲が現れ、弾丸が俺を襲う。デカイ以外の何物でもなく、左助骨を掠った。
「・・・ッ」
「惜しい!あとちょっとだったのにぃ」
 口元が綻んだ。まるで湯木邑は楽しんでるかのように思える。
 ・・・少しヤバイな・・・
 今はあまり水がない。まぁ、「液体を」だから液体の物質さえあれば良いのだが。
 液体な、ら・・・
 俺は助骨から流れる血を見る。鉄分があるから『金属』のイメージには一番良い。
 少し血液を採取し、掌に収める。
「今度は外さないよ、鉄ぇっ!!」
 大砲は再び俺に標準を定める。弾丸が放たれた時には、其処に俺の姿はなかった。
 奴が気付く時にはもう・・・
「な・・・!?」
「この位の間合いなら簡単に詰められる。」
 奴の至近距離にいるのだから。
「液体を道具に変える能力ぁ・・・ッ」
 モード・錘!!
 最重量級の錘を両手で握り奴の鳩尾目掛けて振り上げた。
 湯木邑の鳩尾に見事直撃、2,3メートルほど吹っ飛んで気絶した。
「あー、早く行かないと将来生活習慣病になるー!!」
 決着が着いたと解ったら急ぎ足で家に向かった。
「・・・神剣、析羅 か・・・・・・」

 一週間後、市立暁中学校2−3(析羅のクラス)。
「おーい、析羅。」
 何故か三年の水寿(みすず)が来た。その所為でクラスの女子は大騒ぎである。
「・・・何の用だ、貴様は」
 次の授業で使う教科書を出して俺は奴の下に来る。
「いや、何って・・・今日から新たに書記に任命される転校生なんだが・・・」
 おい、信(まこと)クビかよ(後から聞いたら俺と同じく会計を務めるらしい)。
「何かお前と縁のある奴らしくて、と言うか滅茶苦茶な位お前に会いたいとせがんだものでな、連れてきたんだ。」
「は・・・?」
 そんな奴いたっけ?
「さくらぁーん!!」
「!?」
 そいつは急に俺を襲い始めた。が、間一髪身を翻して未遂に終わった。失敗に終わったソイツは顔面を近くの壁に直撃する。
「何なんだコイツ、は・・・」
 見た事ある。
 短髪の少女・・・湯木邑鼎。
「今日から当学校の書記を務めます、湯木邑鼎でっす!ヨロシクー!!」
 地獄の学生ライフ開始の瞬間であった・・・。
 本日の感想、女は怖い生き物だ・・・。

  トゥービーコンティニュー・・・