知ってしまった・・・!
「この家で中学生は俺一人、教えて下さい、師父・・・!」
 俺が・・・俺が・・・
「俺は本当に『神剣析羅』なんですか・・・!?」
 真久利の弟だって事を・・・!!

  第十八話 認めたくない事実

 沈黙が長く続く、嫌な空気が流れ続けた。
「・・・知ってしまったか」
 沈黙を破ったのは師父、「知ってしまった」って事は、やっぱり・・・
「・・・俺は、この家の子供ではないんですね・・・?」
 泣くのを堪えて、ペンダントがある方の手を力一杯握っている。今までにない何かが、俺の中を駆け巡った。
「お前には、話さなければならんようだな・・・」
 そう言って師父は俺に昔の話をした。

 13,4年前、師父が門下生の稽古に付き合っている途中、境内に光が落ちた。
 落下点の所(桜の木の陰)を探ると、赤ん坊がいた。ソレが俺らしい。
 養子縁組をし、俺は神剣(かばや)家の養子となり、当時12歳の蒼伊(あおい)は初めての弟に喜びの声を上げた。
 桜の木の陰で見つけた赤子ゆえ、俺の名前は「析羅(さくら)」となった(漢字は適当らしい)。

 次々と述べられる事実に脳裏が混乱し始めた。
 俺が、実子ではない事は、認めるんだな・・・
 俺は、真久利(まくり)の弟。
 俺は 天界人・・・
 湯木邑(ゆきむら)と同じように  バケモノ・・・なんだな。
「色々と事実を述べてくれてかたじけのう御座います、では、明日も学校があるので 俺はこれで・・・」
 顔を伏せたままで師父の部屋を出た。ペンダントを握り締めたままで・・・

 俺は、人間じゃない。 俺は、天界人・・・。
 認めたくない。
 俺が・・・神剣析羅(かばやさくら)じゃないなんて、・・・認めてしまったら
 俺は・何になるんだ・・・?
「・・・俺は、神剣析羅 神剣家次男、時期師範・・・液体を道具に変える能力者。」
 そして・・・
「神候補真久利の・・・弟・・・・・・」
 俺は・人間じゃない
 バケモノなんだ。
「・・・本当に、俺は神剣析羅なのか・・・?」
 人の心は、脆く儚いからこそ美しいもの。
 彼の心は何処へ行くのだろうか・・・

  トゥービーコンティニュー・・