第一回戦・植木チーム対グラノチーム、植木チームの勝利。
第二回戦・マリリンチーム対カプーショチーム、僅か5分ちょっとでマリリンチームは勝利を収めた。
次の日、第三回戦・植木チーム対マリリンチームはきわどい所で植木チームの勝利。
五段の君が能力者になっているのは正直驚いたが、コレはコレで戦い甲斐がある。
そして第四回戦・俊足閃光チーム対カプーショチーム、つまり
俺達の戦いだ。
第二十五話 タイムリミット
「第四回戦、俊足閃光チーム対カプーショチーム!両者前へ!!」
神の遣いがそう言うと両チームは少し前へ歩み寄る。
「へぇー・・・君達が噂の俊足閃光か・・・」
帽子の男はまじまじと俺達の顔を見る。少しムカついたので俺はソイツを睨み返す。
勿論、殺気を纏って。
「!!」
帽子の奴他三名は殺気に怯える。でも、4対5か・・・少々ずるいな・・・・・・。
「ではルールを説明する!今回のバトルをやる場所は回転列車!」
え?
回転列車?
何か、嫌な予感が・・・。
「見た目はただの列車じゃが、一定時間を超えると回転を始める。敵チームを全員気絶させるか列車から半径5メートル吹き飛ばせば勝ちじゃ!!」
やっぱり!!ただでさえ乗り物酔いするのに回転までするのかよ!!
「では早速ワープしてもらう!」
すると両チームは光と共に姿を消した。
こちら神候補観客席
「大丈夫かしら、析羅(さくら)・・・」
析羅の担当神候補であり実の姉・真久利(まくり)は心配していた。
「ずいぶん心配そうじゃないか、真久利」
背後に4人の影がある。
「君らしくもない、君は完全ポジティブがウリなのに・・・」
水寿(みすず)の担当神候補・如月(きさらぎ)。
「あいつ等あれでも結構修羅場と場数は踏んでるからさ、大丈夫だって。」
紋火(あやか)の担当神候補・斎(いつき)。
「そうそう、それにある程度の連携ならこっちの方が断然上だろう?」
信(まこと)の担当神候補・捺谷木斎(なつやぎいつき)。
「心配しなさんな、な?」
彪音(あやね)の担当神候補・倖児(ゆきじ)。
「そうね・・・」
回転列車、三車両。
「発車と同時にスタートだって。」
「とりあえず二手に分かれよう、全部で五つあるらしいからな・・・俺と紋火は四車両の方を、析羅と信と白冷(はくりょう)はニ車両の方から攻めてくれ。」
「了解。」
析羅は只今上の空状態になっております。
「大丈夫か、析羅・・・?」
「大丈夫じゃない・・・」
戸が開いた。
「此処にいたのか、丁度いい、汚名返上にこいつ等を倒しに倒してやる!!」
:まもなく発車します・・・:
「開始のカウントダウンだ。」
:発車まで・・・:
5
(気持ち悪い気持ち悪い)
4
(さっさと始めろ・・・)
3
(こっちは気分が悪いんだ!!)
2
(さっさと始めて・・・)
1
(瞬殺だ!!!)
0
:発車します:
「スタート!!」
「ゥオォオオォオッ!!」
「「「「!?」」」」
早く試合を終えたくて、早く此処から降りたくて、敵を片っ端から薙ぎ倒す。
敵は一人二人と数は減り、
「ま、待て!!」
「待てるか!!」
周囲に彼の恐ろしさを目に焼き付けさせた。
「アァアアァアアアアアアアッ!!!」
その姿、まさに鬼神の如し。
「「「「・・・・・・・」」」」
(人間、やろうと思えば何だって出来るんだな・・・)
(だね。)
(アイツ人間じゃないけどな・・・)
「しょ・・・勝者、俊足閃光チーム!!」
(終わった・・・)
こうして初戦は見事勝利。まぁリーグ戦なんだから初戦敗退はないんだが。
そして決着がものの1分で着いたと言うのはマリリンチームを大幅に上回った。
「・・・」
「恐ろしい子を担当してるね、真久利」
「しかもあの子能力一つも使ってないんでしょ?」
「・・・・・・」
神候補と他能力者の度肝を抜いたのは言うまでもない。
トゥービーコンティニュー・・