次の日、植木チーム対カプーショチーム。植木チーム棄権によりカプーショチーム不戦勝。
「今日はグラノチームマリリンチーム・・・立て続けらしいからな。各々力は制御するように。」
「わかってるって」
 立て続けに起こるバトルの幕開けである。

  第二十六話 下らない芸術と戦争の為に育った少女達

「グラノチーム対俊足閃光チーム、前へ!」
 一歩前に進み互いを睨みあう。
「・・・よろしく。」
「こちらこそっしょ!」
 にしてもヘンテコな格好の輩共だな。あれ?確かもう一人いたはず・・・
 一通りの説明をし、舞台へワープする。

「んじゃ、4対5と卑怯極まりないが、その辺は許せ。」
「大丈夫っしょ」
 グラノと言う男は人形を持ち出して遊んでいる。その歳で人形遊びって恥ずかしくないか?
「オブジェ(模型)を実物に変える能力!!」
 人形は光を帯び、人間サイズに大きさを変える。
 其処にいたのは、
 ・・・
「俺?」
 そう、俺。
「これで5対5」
 グラノは反応する。
「! なるほど、コイツは・・・コイツが抱く将来の夢を言えばコントロールが可能なのか。」
 夢?夢は「家を継いで安泰した生活を送る事」だな。
 彪音(あやね)も紙人形を影分身に変える。
「オブジェ(模型)こそが俺が抱く夢!!将来はオブジェ(模型)に囲まれた生活を送る事だ!!」
 自信満々に言う。
「「「ソレはお前だろうが!!!」」」
 俺、オブジェ俺、影分身俺計三名の強力なツッコミを食らってグラノは気絶。他3名も残りの奴が綺麗に片付けてくれた。
「勝者、俊足閃光チーム!!」

「俊足閃光チーム対マリリンチーム、両者前へ!」
 再び説明を聞き終え舞台へワープ。

 マリリンチームは戦争へ赴かせる為に幼い頃から特訓を受けている。一筋縄ではいかないだろう。
「どうするよ?」
「一応信(まこと)龍に乗って上空を確認しているが・・・見当たらないな。」
 音がした刹那、
「!? うわぁああぁあっ!!!」
 銃弾の嵐が上空で起きる。
「どうした信!水寿(みすず)ーっ!!」

「あっけないねぇ、あいつ等。」
 マシューは落ちる龍の影を見ながら言う。
「戦争の為に特訓を受けたあたし達と、素人の差ね」
「素人とは言ってくれるな」
「「「「「!?」」」」」
 背後から腕が伸び、相手の腕を捕らえ、前方へ倒す。
「な!今のはまさか・・・」
「そう!アタイの影分身さ!」
 影分身は本人のスキルと同じ事が出来るからな。
「・・・!これで、勝ったと思うなぁ!!?」
 マシューは腕を振り払う。
「さぁ・・・、此処からが本番だ!!」

「この勝負、引き分け!!」
 マリリンチームとの勝負は引き分けに終わった。
「なかなかやるじゃねぇか」
「そりゃどうも。」
 こいつ等全員俺と同い年だなんて、あまり思いたくないなぁ・・・。

 次の日のバロウチームとの戦いも引き分けに終わる。
「残るは植木チーム。念願の五段の君と戦えるのか・・・!楽しみだな・・・」
 俺の瞳は(自分じゃよく判らないが恐らく)輝いている。
 剣道五段の奴はそういないからな・・・武者震いもしてきた。
 テンションが高くなっている俺の背後数メートルにに、男がいる事は何も知らない・・・。

  トゥービーコンティニュー・・・