この話もとうとう30話を突破しました。有難う御座います。
「挨拶は良いから試合始めてください。」
そんな訳で
「試合、開始!!」
猿顔少年と男女の戦いが始まります。
「何だよオトコオンナって!!!」
第三十話 声と紙人形
「あぁ〜!ぶっちゃけどうするんだよオイ!!」
植木チームの選手は宗屋ヒデヨシ、騙す事が得意な声を似顔絵に変える能力者。「ヒデヨシ選手は早くステージの方へ来て下さい。」のアナウンスが煩くてたまらない。
「あの白冷(はくりょう)っちゅー奴・・・グラノ戦の時は紙人形を黒髪の男の姿に変えよった。」
「紙人形を特定の人物に変える能力と言う訳ですわね。」
佐野、鈴子が気絶から目覚めると能力の分析を始める。
「てコトは一人(ヒデヨシ)対十数人(あの人+分身)の可能性もあるのね?」
「変なコト言うな!!ぶっちゃけ最悪の状況を考えちまうだろうが!」
森がそう言うとヒデヨシは青ざめる。
「オーイ早く来てよ、時間の無駄だろう?」
彪音(あやね)もそろそろ苛立ち始めた。
「ハイィッ!!」
「安心せぃ、いざとなったら俺達が援護してやる!!」
「析羅(さくら)ー、手出すなよ?」
「わかってるって。」
植木チームとは正反対な意見を出す俊足閃光チーム。
「試合、開始!!」
悠然たる草原で戦いが始まった。
「あの子がアンタの担当中学生だっけ?倖児(ゆきじ)」
「うん」
神候補専用観客席、俊足閃光チームの担当神候補は談笑していた。
「彼女凄いよー?ものの数ヶ月でレベル2になったんだもの。」
「そう言えば俊足閃光の半分はレベル2なんだよね、凄いよねー」
「いや・・・全員よ」
真久利(まくり)の一言で周囲の目は丸くなる。
「全員って・・・まさか、君の子も?」
「えぇ、彼は気付いてないのだけれど・・・・・・」
「紙人形を、影分身に・・・」
出した紙人形は光を帯び、形作られる。
「変える能力!!」
出てきたのは、犬。
「・・・犬?」
「正確には俺達から見て左からサモエド、アフガンハウンド、秋田犬、フラットコーテッド・レトリーバー、ワイヤー・フォックス・テリア、ビジョン・フリーゼ、ベルジアン・シェパード・ドッグ・グローネンダール、ポメラニアンだな」
一目見ただけで信(まこと)は犬種を言い当てる。彪音は「正解!」と、親指を立てて合図した。凄いかもしれないがある意味キモイぞ、ソレ。
そう言えば彪音は信の次に犬好きだったな・・・動物にも有効なのか、その能力。
「これがやりたくて彼女あの能力に決めたんだよね」
「「「「・・・・・・」」」」
「何で犬にしたんだ?人間の分身も持ってるんだろ?」
「いや、相手が猿だから犬猿の仲ってコトで。」
ソレが言いたかっただけか貴様は!!!見事に相手は逆上なさってる。
怒ったのか相手から攻撃を仕掛けてきた。が、簡単に避けられる。腕力面を見ても大した事ないな。
「鉄!」
「ブーメランカッター!!」
「ビーズを爆弾に変える能力!!!」
相手の仲間は援護を始める。
「奴等の相手は任せた、俊足閃光影分身」
俺達の分身を大量に出すと援護攻撃を薙ぎ払う。
その間に彪音は宗屋の腕を引っ張り指を紙に押し付ける。
「成立」
チョキチョキと紙人形をでっち上げる。
「紙人形を影分身に変える能力・・・レベル2!!」
宗屋分身と宗屋の腕に鎖がついた。
「な・・・何だ!?」
殴るが、ダメージは本物に返ってくるので自分を殴っているのと同じ事。
始めからそれが狙いか・・・
「厄介な奴を味方にしたものだな」
「勝者・・・白冷彪音!!」
これで二勝、後一笑すれば四次選考進出か・・・
「ルーレットスタート!!」
しばらく回るとルーレットは止まり、決定する。
戦いのジャンル:二対一 植木チーム:植木耕助&森あい 俊足閃光チーム:神剣析羅(かばやさくら) 場所:大地
念願の戦いが、始まる。
トゥービーコンティニュー・・・