それは何処かの土地。
 太古の天界獣がいた土地。
「!!」
 植木の腕にいるテンコも其処にいた。ソイツは何かを感じ、振り向く。
「・・・な・・・」
(何だ!?)
 急激に、天界力が上がっている奴がいやがるぞ・・・!?

  第三十六話 神器

 神器・鉄は、深層的に天界人だと言う事を自覚する事によって覚醒する。
「人間として・・・いや、天界人として!俺はお前に負けはせん!!」
 どうやらこの一言で、深層的な部分も自覚出来たらしい。
「・・・待てよ?」
 鉄の覚醒の仕方は、「自覚」。
 んじゃぁ、他の神器は?
「・・・・・・・・・」
 もしかして・・・、
 俺 鉄以外の神器が・・・使えない?
 無表情な俺に対してアノンは言う。
「まさか神器が使えるなんて思ってなかったよ、神剣(かばや)君。」
 いや、俺も思ってませんでしたが。
「もしかして他の神器も・・・?」
 多分使えませんって。
 只今俺の脳内は表っ面無表情ですがその中は滅茶苦茶な位テンパっております。
「コレでもう少し本気が出せる、ありがとね。」
 「鉄!」とアノンは右手を翳し、大砲を出す。
 ギリギリで避けるが、奴の神器は理想の神器・・・避けても標的を狙い続ける。
「く・・・モード・盾!!」
 の筈が、出てきたのは巨大な手。何とかそれで相殺した。
 威風堂々、確かそんな名前だったな。盾であるのは間違いないが・・・。
 俺の神器は他の奴と比べると真っ向勝負で攻撃を受けると言うより、受け流して地に落とすみたいだな。長年合気道やっていた名残からか・・・?
「もっと君の能力を見せてよ!!」
 快刀乱麻、唯我独尊、百鬼夜行、次々と神器が現れてくる。
 電光石火はあまり使えないな。俺が酔う。
 微妙に俺は苦笑いだった。まさか其処まで神器が出るとは、思ってなかったから。

「俺達・・・もう傍観者だなー・・・」
「大丈夫?学ランヘチマ。」
 とりあえず信(まこと)、彪音(あやね)の二人は近くにいたバン達の治療に専念した。
「アイツ何者だ?威風堂々には“忍耐”快刀乱麻には“不惑”、唯我独尊には“渾身”等・・・様々な条件があるのに、アイツはどんどんレベルが上がっていく。」
「あー・・・そりゃ無理もないわ。」
 呆れたように彪音はバンの額にクルクルと包帯を巻く。
「そんな事なら、アイツ子供の頃からやってるし。」

 忍耐、不惑、渾身、集中力、先読み・・・道場で俺が覚えてきたものばかりだった。
 どんどんレベルが上がっていくのが面白いのか、アノンは楽しそうに、求めるかのように俺に言う。
「さぁ・・・君はどの神器まで出せるんだい?見せてよ、君の本気を!!」
 今俺何ツ星なんだっけ・・・?

  トゥービーコンティニュー・・・