絶叫の下、黒服の男達数名は俺に倒された。
「全く・・・、これじゃバイト所じゃないじゃないか。」
 返り血を少し浴びて俺は溜息を吐く。
 観衆は震えてこちらを見る。近所の人々はこれが日常茶飯事だし、慣れてるみたいだが、流石に市が違うと周囲の反応は新鮮に思えた。
 ふとさっきの客を思い出した。
 あいつ等・・・
 金払ってない。
「あの糞餓鬼共!!食い逃げかよ!!」
 いつもの竹刀袋片手に、俺は駆け出した。

  第五話・黒岩と言う名の外道。

 とりあえず俺は走った。如何せん、初めての街並み。地の利は確実に相手にある。
 我武者羅に走っていると、小さながらも会話が聞こえた。
「何しとんじゃボケェ!!!ワレだけでも逃げんかい!!!」
 大男と少年がボロボロの姿をしている。大方、多勢に無勢の状況で大男は足を負傷。・・・て所か。
 車が近付く。あと、10メートル、6メートル・・・
「植木!!!」
 青髪の少女が現れた。
「お、森?」
 ウエキって言うのは、少年の名か。
「コレ見つけんの大変だったんだからね・・・! 世話やかせんなバカ!!!」
 モリと呼ばれた少女は空の百円ライターをウエキに投げつける。
「サンキュー。」
 あと3メートル
 ウエキは受け取ると、手が光り、大木が現れた。
「・・・ な・・・!?」
 大木は車を貫いた。
 俺は直感で気付いた。
「・・・能力、者・・・?」

  トゥービーコンテニュー・・