どうも、神剣析羅(かばやさくら)です。今俺は、変な格好の手拭男・佐野清一郎と共に飯と救急道具を買いにコンビニヘ足を運んでおります。
 そして何事もなく、体育館みたいな建物に戻ろうとした途端、何者かが二人の前に立ちはだかりました。
「お前が佐野清一郎か・・・、コイツが噂の天才・・・・・・大した事ないな。」
 初っ端から不愉快な思いをして、この話は始まります。

  第八話・対決

 話からすると、能力者か。佐野とやら、結構評判があるんだな。
「変な格好。」
「何やと!?浴衣バカにすんなやテメェ!!」
 確かに俺も思ったよ。しかも死に装束の合わせ方だし。
 ま、俺には関係ないことか。さっさと植木と言う男に飯を届けてやろう。腹空かしてるみたいだし。
「あ!お前・・・まさか神剣析羅か!!?」
 能力者は俺に指を指して言う。
「ウチの学校はお前の被害に遭ってるからな・・・仇を取ってやる!!」
 あぁ、コイツもしかして隣の中学校の輩か。雑魚としか言いようがなかったな。うん。
「佐野の方は後で片付けてやる 食らえ!“声”を・・・」
 そう言うと口を開く。
「佐野、奴に飯を届けといてくれ。」
「おぅ、解ったわ。」
 口の中が光る。
「“衝撃波”に、変える能力ぁ!!」
 声は幾多もの衝撃波に変わる。気配を察して、俺はひらりと避けた。
 ペットボトルから少し水を出す。
「“液体”を“道具”に変える能力・・・」
 モード日本刀!!
 相手の攻撃を見切り、日本刀で衝撃波を断ち切った。虚空と化した奴の正面は隙だらけ。
 顔面に水を掛けて鳩尾に蹴りをかます。
「・・・か、はぁ・・・っ」
 能力者はいとも容易く気絶した。
「1分も経ってないな。」
 右手に巻いてる腕時計を見て俺は溜息を吐けた。

 同時刻、街角かと思われる場所。
「・・・・・・・・・くそ・・・!!」
 平の担当神候補であり、禁忌を犯したラファティ。
「佐野にならともかく・・・あんな雑魚に負かされるなんてー!!」
 足元に穴が空く。
「え・・・!? あ・・・あ!!! ああああああああああああああ」
 禁忌を犯した者への罰。犯罪者がいなくなった後、穴は消え去った。
「あーあ、やっぱり落ちたか。」
「ルールその五十・・・“いかなる場合も、バトル中の手助けを禁止する”・・・・・・なるほど」
 穴があった所に三つの影、一人は眼鏡を掛けた不精髭の男、その隣に帽子を被った男、二人の間より少し後ろに、析羅の担当神候補・真久利(まくり)がいた。
「ルールを犯せば地獄行きってワケだ。おっかねー!」
「・・・僕らも気をつけましょう小林さん・・・それと真久利さん」
「もちろん!私だって落ちる訳にはいかない、彼を見つけるまでは・・・意地でも生き抜いてやるんだから!!」
 真久利は少し殺気立った表情で言った。
 どうやら、この女は別の目的があるらしい。
 析羅がその真実を知るのは、未だ等分先の事であった・・・。

  トゥービーコンティニュー・・・