私の名前は真久利(まくり)、本編の主人公神剣析羅(かばやさくら)の担当神候補で実の姉です。
でも実の所、私は彼に「お姉ちゃん」と呼ばれた事がない。
一度でもいいから呼ばれてみたい!!
「お姉ちゃん」と!!!
番外編 姉と称されたくて
「ねぇ析羅(さくら)ー、いい加減私の事お姉ちゃんって呼んでよー」
私は直球に析羅に要求した。当の本人は「はぁ?」と銜えていた煎餅が落ちそうになった。
「何だよいきなり」
「だって・・・一度もお姉ちゃんって呼んでくれないじゃない」
そりゃぁつい最近までは「姉」だなんて判らなかったし。
「初めて出来た弟なのに、生まれた途端に父は天界に落とした。」
俯きながら真久利は続ける。
「だから、一度でも良いから、貴方にお姉さんって呼ばれたいの。」
目にはジワリと涙が浮かんでいる。
析羅は少し黙り込んだ。
少し抵抗していたが、少し口を開いた。
「・・・解ったよ、姉さん。」
一瞬、間があった。
「析羅・・・?」
「・・・今回、だけだからな。有り難く思えよ、姉さん。」
「析羅・・・!」
ありがとう。
終わり