動揺
注) この作品は、本編と内容がかなり変わっております。違和感を感じた方は、おやめください。
「森……」
四次選考前日の夜だった。
佐野と鈴子ちゃんは二人で出かけたし、ヒデヨシもどこかに出かけていた。
きっと思い思いのことを考えているんだろう。
そんな日に私と植木は、二人きりで小さなコテージ?で休んでいた。
そんなときだった。植木の様子がいつもと違って見えたのは。
「どうしたの? 植木」
そんな私の言葉に反応するかのように、植木は言った。
「明日の四次選考でいよいよ最後だな」
「そーね」
明日でこの神を決める戦いもついに終わる。
長かったようで短い戦い。
色んな出会いがあって、そして自分の身辺も一変した。
そんな戦いに巻き込まれたのも、考えてもみれば植木が始まりだった。
「ちょっと信じられない気もするけどね」
「そうだな」
今まであったことが、全て明日で終わりを告げ、そして私たちは普通の日常に戻る。
当たり前のことなのに、この状況が変わるなんて信じられなかった。
私と同じことを植木も感じていたらしい。
「森は……」
「ん?」
「森は、どうすんだ? この戦いが終わったら」
植木が問いかけてくる。
「どうするって……、学校に戻るに決まってるじゃない」
私は当たり前のことを答えた。
すると、植木も納得したようで
「そうだよな」
と言った。
でも、次の植木の言葉は私にとって驚く以外の何物でもなかった。
「森は、元の生活に戻っても俺のそばにいてくれるのか?」
「えっ?」
植木の言葉に、私は思わず声をあげてしまった。
「どうなんだ?」
植木は真剣な表情で私を見つめてくる。
私は、自分でも顔が赤くなってくることに気づいた。
何故だかはわかる。だって、植木は私の……。
「あ、当たり前じゃない。植木は私がいなきゃ何にもできないんだから」
半分ヤケになって、私は言った。
すると、植木がゆっくりと私に近づいてきた。
すぐ近くにまで植木は来ると、私の耳元に口を近づけていった。
植木の吐息が耳にかかり、思わず私の心臓は早くなっていった。
「俺も森がいなきゃ、嫌だ」
「えっ?」
告白じみた植木の言葉に、私の顔はますます赤くなっていく。
でも、次に気づいたときには……
私の視界には、ほとんど何も見えなくなっていた。
そして、私は気づいた。
植木が私にキスしてるってことに。
「んっ……」
声を上げようとしたら、自然とそんな声が漏れていた。
植木は、私の体を座っていたソファに押し付けていた。
おかげで私は逃げることも、抵抗することもできなくなっていた。
最初はすぐに終わるものだと思っていた。
でも、植木の唇は徐々に私の唇に強く当てられていって、次第に深いものになっていった。
私自身、初めてのキスがこんなものになるとは思わなかった。
「……ん、ぅ……」
徐々に酸欠になりかけているせいか、頭の中がボーっとしはじめた。
そろそろ離してもらいたくて、私は植木に話そうとした。
でも、喋ろうとして口を開けた瞬間だった。
突然、私の口の中に何かが入ってきて、私の口の中を動き回った。
(ひょっとして、ディープキス!?)
そんなことを考えたのもつかの間、本格的に酸欠が私の身体に襲いかかった。
何かを考えることすら難しくなり、感じることといえば口内を動き回る植木の舌だけだた。
抵抗することすらできず、植木はゆっくりと私の口内を舌でなぞっている。
中学1年とは思えない濃厚なラブシーンになっていた。
「……んっ」
やがてなぞり終えたのか、舌の感触がしなくなった。
植木もきつくなったのか、と思い、私はホッと一息をつく。
だが、その直後だった。
今度は私の舌に何かが絡まってきた。
それは植木の舌だとすぐに分かったが、分かったところで私には何もできなかった。
「……ん、ぅ……。んっっ……」
自然と、私の口から声が漏れだしていた。
それでも植木はやめようとしなかった。
それからどれぐらい経ったか分からないけど、やっとのことで植木は唇を離してくれた。
私も、やっと空気を満足に吸うことができて、大きく息を吸う。
でも、植木はそんな私を見て堂々と言った。
「俺、森のことが好きだ」
落ち着かない呼吸を必死に整えていた私は、思わずびっくりした。
植木はすごく満足そうな、そして私の答えを望んでいるような顔をしていた。
私は、物凄く戸惑った。
でも、この機会に植木の気持ちに答えなければ、永遠に私は後悔すると思う。
だから、勇気を出していった。
「私も……。好き」
言った瞬間、物凄く恥ずかしくなって私は俯いた。
でも、植木の反応が知りたくて私は恐る恐る顔を上に上げる。
すると、植木の顔は今まで見たことがないほどの笑顔で、すごく嬉しそうだった。
「ずっと一緒にいてくれるんだな?」
「……。うん」
植木の言葉に、私は小さく頷いた。
「ねえ。植木」
「何だ? 森」
現在の状況。ソファの上に森が寝転がり、植木がその上に覆いかぶさっている状態。
つまり押し倒されている状態といえばいいだろうか。
「わ、私たち中学生なんだし、早すぎだと思うんだけど……」
「別にいいじゃん。年齢なんて気にする必要ないって」
実際には気にするべきである。
森は、次の一手を考える。
「ほ、ほら。明日、四次選考だし。疲れちゃったら……」
「安心しろって。疲れが残らないほど気持ちよくさせてやるからさ。」
森の言葉に、植木は次々にとんでもないことを言い出す。
いつもの鈍感な植木はどこにいったのやら。
それでも何か言おうとする森の唇を、植木は強引に塞ぐ。
「実際、森だって嫌じゃねぇんだろ?」
「ず、ずるい……」
植木に唇を塞がれたことで、森は何も言えなくなった。
いつまでもそばにいることを誓う行為が、今始まった。
終了
あとがき
年齢制限にするつもりが……。逃げてしまったぁぁぁぁぁ!!(腑抜け
何やってんだ! 私はぁぁぁぁぁぁぁ!!
今日中に二つが完成できたわけですが、最盛期のときは3つだったなぁ。
高校生活の休暇中にこんなものを書いているのが、唯一の暇つぶしというのは一体……
こんなもの、こんなもの。いい作品じゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!
フリー小説にしてやりてぇぇぇぇぇ!! 無理だけど。
ついでに私のサイトの閉鎖が近づけば、フリー小説にいくつかの小説をするつもりですので。
それだけはよろしく。では、以上でさらば!