強さと弱さ


もうあれから1年か…

神を決める戦い。

俺は100人の選ばれし中学生の1人だった。

今では夢のように思えてくる、あの数ヶ月。


けれど…夢なんかじゃない。
能力は無くなった、神器も使えなくなった。
だけどあの戦いで俺はかけがえのない多くのものを得られた。

命をかけ俺を助けてくれた英雄。
共に戦いを勝ち抜いた大切な仲間。
血の繋がりが無い俺を本当の家族以上に愛してくれた父と姉。
そして…

いつもそばで俺を支え、叱り、泣き、笑っててくれた、一生をかけて守りたい人。

このかけがえのないもの達の存在があるかぎり、俺はあの戦いのことを忘れはしない。


もちろん、辛いことはあった。苦しいことも、死にかけたこともあった。
憧れの人が自分のせいで地獄に落ちたとき…
自分が人間ではないことを知ったとき…
強大な力の前で自分の弱さを悟ったとき…
仲間が傷つき、倒れそうになったとき…

それでも俺が負けなかったのは、大切なものを守りたいという気持ちを忘れなかったからだと思う。
だから俺は強くなれた。みんなのおかげで。

「誰かを守りたい」それが俺の強さ。
「自分はどうなってもいい」それが…俺の弱さ。
…あいつのおかげで、自分を大切にするのも大事だって気付いた。
いつも泣かせてばっかだったからな。心配させたくないのに。ほんと馬鹿だな、俺って…

平和な日が続いている今は、少し退屈な気もするけど。
たまに仲間と会ったり電話したりすると、やっぱり普通に笑いあえる。それがなんか、嬉しくて。
毎日あいつとしゃべって、一緒に帰って。笑顔を見せてくれると、なんか幸せで。
あの戦いがあったから、今があるんだ。そう思うと、退屈だなんて贅沢だよな…


始まりは、俺が生まれてすぐ、天界から落とされたことだった。
でも、それは運命だったと信じたい。
俺が植木耕助として、この世界で生きることも、運命だったと。

そして…この幸せな日々が、いつまでも続きますように…


  終


あとがき

初めまして。hiraと申します。
意味不明なものを書いてしまってすいません…
シリアスなのか?植森なのか?中途半端すぎてなにがなんだか…
もしまた書かせて頂くときがあれば、次はも少しましな植森を書きたいと思います(おい
                        hira