「ーねぇ植木。なんなわけ?選ぶとか、買う、とか」
先ほどから話を全く飲み込めていない森は、植木にコソコソと聞く。しかし植木はニッと口の端を上げ「森は後で」と意味ありげに呟いた。
「・・・佐野く『コレ・・・ッ』
目を丸くした鈴子の前に突き出されてきたのは、1つの可愛らしいぴ悔いろの箱。鈴子はいきなりのことで状況が把握できず、佐野の顔とピンクの箱をきょろきょろ見合っている。
「佐野君・・・これ、は・・・?」
「はっ、初めてやからな!」
「??」
「もっと解りやすく言えよ」
「外野は黙ってろ!!!」(ムカッ)
あまりの話のスローな進みに横から口を挟む植木。(佐野のイライラ+照れ+焦りは156UPした)
「せやから・・・初デデデデデデデート記念っちゅーやつや!!!」
「・・・・・・・ぁ!!!」
少々、いやかなりどもったが、言えたことには変わりない。佐野は顔を真っ赤にさせながら鈴子に箱を渡した。一方の鈴子は事をまだ十分に理解は出来ていないようだが、だんだんと顔がほころんでいく。
「・・・開けても、良いですの?」
「そのために渡したんや」
「は、はぃ」
カサカサと紙を破らないように、丁寧に開け、パコンッと箱の蓋を開いた。
「っ綺麗・・・」
中に入っていたのは鈴子の瞳と同じ色の石が付いたリング。
鈴子は何度も嬉しそうなため息をつきながら佐野を見つめた。
「良いんですの?本当に私がもらってしまっても・・・私、私」
瞳をうるうるとさせながら、指輪の入った箱をぎゅっと握り締めながら佐野に問う。すると佐野は、照れ隠しのつもりなのか、後ろ髪をガシガシとかきながら
「言うたやろ?記念やって。大事にしいゃ・・・それ式の時にも使うんやからな」
サラリと重要なことを言ってしまった。
「・・・しき・・・」
(植木!!植木!!!式って、式ってアレじゃないの!!?アレ!!)
(は?森なに興奮してんの?)
「・・・・・式って・・・」
鈴子はまたもや瞳を点にしながら、佐野を見た。すると佐野は我を取り戻したように冷静にこう言いのたまった。
「なにキョトンとしてんの。式言うたら、アレしかないやろ。結婚や」
「・・・・・・・・・・・!!!」(ぅえ?!鈴子!鈴子!!落ち着くのよ鈴子!!結婚式、結婚式じゃない・・・!!エッ結婚式!!?)
鈴子お嬢様脳内は結婚式パニック
「ひぃーーー!!なんてサラリとプロポーズ!!??ちょっと植木!アンタも佐野見習いなさいよ!あの堂々とした立ち振る舞いを!!!」
ベシンベシンと植木の背中を強く叩き(殴り)ながら、森は佐野を指差した。
「えー・・・大丈夫。俺佐野に負けてないから」
「なっ何を思ってそんな自信満々に言えんのよ!?;;」
アハハハ、とごまかすように笑っている森の耳を、植木は引っつかんで少々大きめの声で呟いた。
「・・・だって俺母さん達に"俺の嫁さん森だから"って宣言してるからもうかれこれずっと昔から(今日の朝も宣言してきた)」
耳を引っ張られた痛みと植木の突然の嫁宣言が、森の頭の中でスパークを起こした。
「・・・・・アンタッよくそんなことを恥ずかしげもなく言えるわね!!!///」(しかも今朝も言ってきたってなんだ!!)
「ということで森にも結婚指輪のプレゼント」
『!!!』(さっサラリと言いやがった・・・!!)

ミィンミィンとせわしく蝉の声が響き渡る午後。
「何?俺のプロポーズは受けられん言うんか・・・?」
「んなッ!!?いぇッそんなことは、全っっっく無いです!!!謹んでお受けいたします!!!」(なんだか佐野君最初より強気な気がしますわ・・・(汗)←それはもう本気だから。
「もーちょっと!もうちょっとロマンチックなところで言うもんでしぉーッ!!!おばさん達だってきっと呆れてるって!!」
「いつでも来てねvって言ってたぞ皆」
『!!!!!』(アンタの家族は・・・!!)
いつの間にやら、暑さもじわりと涼しさに変わっていっている、今日この頃。
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こんにちは*初めまして日下マユといいます。
植森・野鈴双方大好きです!(いぇっむしろ大好物と言ったほうが(殴)
二組のカップルを織り交ぜて描いたつもりなんですが・・・文才が足りなさ過ぎる・・・!!(涙)
小説も版権も久しぶりだったんでドキドキものでした*
それでは、失礼致します(*^ ^*)>