それからの日々


<植木視点>

あの戦いから半年人間界に戻ってきた俺たちは何事もなかったように毎日を過ごしている。

鈴子はロベルトに告白してふったらしい。(何があってそうなったかは知らないが・・・)

佐野はなんと鈴子に告白し、OKをもらえたらしい。(そのあと聞いた話では「女はふられた後におとすものや」と言っていたとか)

ヒデヨシはたいようの家で子どもたちと前と変わらない日々を過ごしている。


そして、俺と森はと言うと・・・

「おはよう植木。学校遅刻するよ〜」

「おう!そこで待ってろ!」

とまあこんなカンジで実は前とほとんど変わっていない。
・・・でも、変えたいことが1つある。

―俺と森との関係だ。

あの最後のバトルの時みんなを守れるのなら俺は消えてもいいと思った。
あの時の記憶はあまりなく、結局は消えずにすんだが、あの飛びついてきた時の森の顔だけは今でもはっきり覚えている。

       ― 驚きと喜び・・・そして少しの悲しみの顔 ―

2度とあんな顔はさせたくない。そう思った。
この気持ちにはずっと前から気付いていたが森に言うべきか迷っていた。

もうすぐ俺たちは2年生になる。クラス変えがあるのだ。クラスが違っても森は今と同じようにこうして迎えに来てくれるだろうか?このままでもいいのだろうか・・・?


                              <森視点>

まったく。毎朝毎朝どうしてこう遅いのかしら。早く行かないと遅刻だというのに。でも植木の事を置いていけない自分がわかる。

私は植木が好きなのだ。

鈴子ちゃんと佐野がつきあいだしたと聞いた時嬉しい反面羨ましくもあった。
植木はこんなことに興味はなさそうだ。
でももうすぐクラス変え植木と離れたくないし、もし離れたら今みたいに近くにいれなくなるかもしれない。
そうなってもアイツは変わらないでいてくれるのかなあ・・・?



「おまたせ」
「もう、そろそろ本当にやばいよ!早く行こう!!」
「しょうがねえ、奥の手だ」
「えっ、ま、まさか・・・?」
「“電光石火”」

そう言うと植木は森を抱えた。いわゆる[お姫様抱っこ]だ。

「きゃー!!」
「大丈夫だ森。しっかりつかまってろ」
「う、うん」

ものの3分ほどだったが、お互いには10分にも20分にも思えた。

「よし。間に合った」
「よ、よしじゃないわよ!誰かに見られてたら・・・」
「なんだ。見られちゃまずいのか?」
「まずいに決まってるじゃない!!神器なんか使って」
「あ、そっか」
「も〜。まあ間に合ったし、誰にも見られてないからいいけど・・・」
      
〜キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン〜

「やっば!!行こ植木。間に合ったのに遅刻になっちゃう」
「おう。・・・あ、森!」
「ん? 何?」
「あのさ、今日一緒に帰れるか?」
「えっ? うん。帰れるけど・・・」
「じゃあ公園行くぞ」
「分かったわ。どうせ掃除でしょ?」
「まあそんなとこだ。よし、行くぞ」
「あ、待ってよ」


              〜昼休み〜

 どうしよう・・・。
勢いで呼び出したはいいけど、何て言えばいいのかさっぱり分からん。
こんなこと誰かに相談できるわけないし・・・
 そうだ!佐野!!あいつは鈴子に告白したって言ってたし、佐野に相談しよう。確かこの時間誰もいない場所は・・・屋上だ!よし、屋上で電話してみよう。森は・・・あっ、あそこにいるな。じゃあ大丈夫だ。今のうちに

そして屋上までダッシュする植木をよそに・・・

 それにしても今日の植木なんか変だったわね。何かあったのかしら?
 アレ?植木がいない。さっきまでそこにいたのに・・・?


「ねえ、植木知らない?」
「植木〜?なんかさっき屋上に行くって言ってたけど?」
「そう。ありがとう」
              〜屋上〜

「よし。だれもいねえ」

『・・・はいもしもし?』
「もしもし佐野か?俺だ」
『おお、植木か?何や突然?』
「あのな、ちょっと佐野に相談したいことがあるんだけど・・・」

『・・・ふ〜ん。なるほどなあ。植木、お前もやるなあ』
「俺こんなの初めてでどうすりゃいいのか分からなくて・・・」


やっとついたわ。さて植木はどこに・・・?

屋上のドアを開けようとすると、植木の話し声が聞こえた。
 
?だれかいるのかしら?・・・電話?


「そっか。佐野はそんな風に言ったのか」
『だれにも言うなよ植木。お前やから言うたんやからな』

 佐野?植木は佐野と電話するためにここに来たの?何で?何か聞かれるとまずいことでもあるのかしら?

「じゃあ、俺も素直に好きだって言うよ。森に」

えっ?今何て言ったの?植木が?私を?え?ええ〜!?

『おう。男はストレートに真っ直ぐ言うもんや。がんばれよ植木!!結果楽しみに待ってるで』
「ああ。じゃあ昼休み終わっちまうから。ありがとな佐野!またな」

電話を切った植木がまっすぐこっちへ向かって来る。

 やば!!早く降りなきゃ!!
 植木が今日一緒に帰ろうって誘った訳ってコレ?まだ信じられないよ。
植木も私のこと好きだったなんて!
どうしよう顔があついよ〜!!



             〜放課後〜

「よし。森〜?帰るぞ〜」
「う、うん。待ってもうちょっと」
「先に下駄箱で待ってるぞ〜」
「わかった〜」

「ちょっと、あいちん!」
「? 何?どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ!!何で植木なんかと一緒に帰るの?」
「何でって、それは・・・//」
「あいちん?顔真っ赤だよ?も、もしかしてあいちん!?あれのことが好きなの?」
「//・・・うん」
「ええ〜!!信じられんない!?アレのどこがいいの?」
「まあ、いろいろあってね。おっと、いけない。植木が待ってる!じゃあ帰るね。バイバイ」
「アレのどこがいいんだか?」


「ごめん植木!遅くなって」
「いや。大丈夫だ。そんなにまってない」
「よかった〜。あんまり遅くて先に帰ってたらどうしようって思ってて」
「俺が誘ったのに先に帰るわけねーじゃねーか。よし、いくぞ」



              〜公園〜

「さあ、久しぶりに掃除しよっか」
「あのさ、森。先に話があるんだ。こっちきて座ってくれ」
 
ドキッ!! ついにきたわね。なに言われるか分かってても緊張する〜

「ん? なあに?」

森が植木の横にちょこんと座った。

 うわっ、上目づかいはだめだって。めちゃくちゃかわいいんだから・・

「あ、あのな、その・・・バトルが終わって人間界に帰ってきてからずっと言おう言おうと思ってたことがあるんだ」

2人の間に沈黙が流れる・・・

「俺は、バトルのときいつも森に支えられてた。森が居てくれなかったらたぶんどこかで負けてたと思う。俺は森が好き・・・なんだ・・・。だから、俺の勝手な思いかもしれないけど・・・これからも俺の横にずっと居てくれないか?」

すると、しばらくして森の瞳から一筋の涙が流れ落ちた

「!!ど、どうしたんだ森!?やっぱり迷惑だったのか?」
「違うわよ・・・これは・・・嬉しいのよ・・・あんたにそんな風に思ってもらってたなんて考えてもなかったから・・・」
「森・・・」
「ねえ、植木」
「なんだ?」
「はっきり言ってくれない?私欲張りなのこんな風に言ってもらったのにまだ足りないの・・・・」
「森・・・・・・俺は、森が好きだ!ずっとずっとそばに居て欲しい・・・・」
「私も・・・私も植木が好き!!そばに居て欲しいのは私のほうよ・・・」
「森!!ありがとう」

そう言うと植木は森を抱きしめた。

「う、植木//!?ちょっと、誰かに見られたら・・・」
「大丈夫。今度は神器なんか使ってねえし」
「そう言う問題じゃなくて・・・」
「いいじゃねえか。森は俺のだって言いたいんだよ」
「バッ//」
「へへ」



そして、しばらくそのままいたとかなんとか・・・
                  




〜おまけ〜

「もしもし佐野か?」
『おお、植木。で、どやった?』
「もちろんOK!!」
『そらよかったわ。じゃあ今度は俺らとWデートな』



   こんな会話がしばらく続いたそうだ・・・・・・

                                 FIN


あとがき
初めて書いた植森小説・・・会話文しかねぇ!!ってツッコミが入りますね;
もう、すごく変です・・・
終わり方もなんじゃこりゃ〜!?ってカンジですし・・・;
もっと勉強せねば・・・
                                いろは