今日は久しぶりに部活が無い。
 なので帰りのHRが終わると生徒会室に寄る。理由は簡単、暇だから(仕事しろよ副会長)。
「こんにちはー」
 両開き扉の片方を開けて生徒会室に入る。
 中は妙に静かだった。いつもなら生徒会長の興那(おきな)君が「今日は部活休みなんですか?」と、笑顔で出迎えるのだが、今日は無い。
(どうしたんだろ・・・)
 ホワイトボードに目をやると、『書記、部活のミーティングで遅れる』と、連絡がある。
「芳利(よしり)君はしばらくはいないのね、よかった」
 大方今日も仕事を置いて逃げようかと思ったんだろう。捕まればどうなるか、それは各自のご想像にお任せする。
 足元にあるソファーに座ろうとソファーを見ると、興那が一人ですやすやと寝ている。
 寝ちゃってるや、とぼやきながら自分で紅茶を淹れる。
 紅茶の音と共に興那は目覚めた。
「あ・・・充澄(あすみ)さん、来てたんですか?」
 私は「来てたわよー」と返事を返す。
「・・・ねぇ興那君」
「何ですか?」
「久しぶりに部活が無いなら、仕事サボって何処か行かない?」
「え・・・?」
 興那君は何故か顔を赤らめる。
「あぁー、何だよ二人して面白そうな話題してんじゃねーか!」
 会計・玄(はるか)が神出鬼没にドアから現れる。
「よし!決定!!早く行こう、芳利君が鬼神と化して追っかけて来ない内に」
 充澄の意見に玄は賛成する。
 そんな会話の中で興那は小さく溜息をする。
「・・・そう言う意味で言った訳じゃないんですね・・・?」
 夕日に照らされて空は紅く、黄金と化す。
 そして思いは、流される・・・。

 追伸・芳利がその書類を嘆きながらこなしたのは言うまでも無い。
            END

第二弾。やっぱりオリジナル。原作沿いや小ネタが小説にならないのが悔しい。