森「おはよう、植木!」
植木「お、森。おはよう。」
今日も元気な二人組の声が朝の寒い路地に響き渡る。
佐野・鈴子・ヒデヨシもあとから続く。
能力者に能力が帰ってきてから早一週間。佐野が言った確率は当たり、何事もない平和な日々が続いていた。

休み時間。佐野が運動場から帰ってくると、階段の踊り場から声が聞こえた。
鈴子「・・・うんうん、それでね・・・」
鈴子の声だ。どうやら携帯で誰かと話しているらしい。ちゃん付けで読んでいる所からして、相手は女の子のようだ。
鈴子「・・・うん・・・わかった。それじゃあまた電話するね。」
ピッという通話終了の音を境に佐野は訪ねた。
佐野「だれかとはなしとったんか?」
鈴子は、「いつからそこにいたの?」という顔でこっちに気づいた。
鈴子「私のイトコですわ。『鈴鹿(すずか)』ちゃんっていうんですの。私より1個年下なんです。同じ能力者なんですのよ。」
佐野「ヘェ〜・・・って能力者!?」
鈴子「今度植木君達に紹介したいっていう電話をかけてたんですけど・・・能力者じゃお邪魔でしょうか?」
佐野「いや、同じ能力者ならこちらこそ大歓迎や。植木や他の奴らもきっと承知するやろ。その鈴鹿って奴にそう言っておきや。」
鈴子は一瞬笑顔を見せたかと思うと嬉しそうに電話をかけ始めた。
      続く