5人の騒ぎをよそに、鈴鹿は一生懸命こぼしてしまったコーヒーを拭いていた。
佐野「せや!こういうときこそ神に聞けばええねん!ワンコ(犬丸)に電話してみようや!」
そう言うと佐野は携帯電話を出して犬丸に電話をしだした。

プルルルー・・プルルルー・・ガチャッ 
犬丸『あ、もしもし?佐野君?』
佐野「ワンコか?聞きたい事があるねん。よっちゃんのモバイル見たら植木の才が増えとんのやけど・・・」
犬丸『植木君の才がですか?ええと、今調べてみますね・・・
淀川さーん!淀川さーん!!』
佐野「よっちゃんなら今ここにおるで。」
犬丸『ええっ!?どうしてそこにいるんですか!?・・・あ、そうか。僕がお使いに出させたんでした・・・ハァ。』
佐野「んで、植木の件はどうなんや?」
犬丸『今調べています。けど時間がかかりそうなので、また分かったら佐野君の携帯に電話しますよ。』
佐野「ん。分かった。じゃあな〜ワンコ。」 ピッ

ヒデヨシ「ぶっちゃけどーなったんだ?」
佐野「調べるのに時間がかかるそうやから、また分かったら電話してくれるそうや。」
森「今分かった訳じゃないのね・・・。」
植木「それはそうと、鈴鹿の能力って何なんだ?」
佐野「お、そこはワイも聞きたかった所なんや。」
森「鈴鹿ちゃんの能力かぁ・・気になるなぁ。」
ヒデヨシ「お前の能力は何なんだ?」
鈴鹿「ええ・・と・・。限定条件のせいで、ちゃんと能力が戻ってきているかどうか まだ実験してないんです。」
鈴子「鈴鹿ちゃんの能力は、『相手を自分に惚れさせる力」なんですわ。」

      植木&森&佐野&ヒデヨシ「なにィ〜!!!」

ヒデヨシ「ぶっちゃけメチャクチャ便利な能力じゃねぇか!」
森「私の洗脳能力と似ているわね。けど、限定条件をこなせないからまだ実験してないなんてよほど難しい限定条件なんじゃないの?」
鈴子「鈴鹿ちゃんの能力は男性の能力者にしか効きませんの。単に周りに能力者がいなかっただけなんですのよ。あとの限定条件は『相手の視界に自分の姿が入っている事』なんですわ!」
鈴鹿「男性にしか効かないことと、自分の姿が見えない位置から攻撃できる人には効かない事が難点ですけど、そのかわりとても簡単に力を使えるんです。ただ・・・」
     植木&佐野&ヒデヨシ&森「ただ?」
鈴子「鈴鹿ちゃんの能力は、よく暴走するんですの。」
今の言葉に、ヒデヨシは悪寒を感じた。
森「あ・・そうだわ!またヒデヨシで実験してみたらどう?」
お約束だがヒデヨシにとってはとんでもない迷惑である。
鈴鹿「けど、そんなことしたらヒデヨシ君に悪いです・・。」
今の鈴鹿の言葉でヒデヨシは鈴鹿が女神に見えた。
佐野「ええんやええんや。ヒデヨシはお決まりやし鈴鹿なら能力を使って悪うことはせんやろ。」
今の佐野の言葉でヒデヨシは佐野が悪魔に見えた。ヒデヨシ危うし。

              実験開始

鈴鹿「ヒデヨシ君、三回回ってワンと言って!」
       グルグルグル・・ワン
哀れヒデヨシ。鈴鹿の能力で手名付けられてしまった。
佐野「ワンコ以上に犬になっとる」
森「こんなに便利な能力なのになんで鈴鹿ちゃん負けたのかしら・・・。」

ヒデヨシ「・・・あれ?俺ぶっちゃけなにしてたんだっけ?」
鈴鹿が能力を解いたらしい。ヒデヨシが状況を把握するのにそう時間はいらなかった。
ヒデヨシ「佐〜野・・・森〜・・・・ぶっちゃけ何させるんだぁ・・・。」
佐野「わ、わーったわーった。そう苦虫噛みつぶしたような顔すんなやヒデヨシ。悪かったって。」
森「ヒデヨシ・・・あんた血の涙流してるわよ。」
植木「ヒデヨシ、シャーベット溶けてるぞ。」
鈴子「貴方はまた立派に役にたったんですわ、ヒデヨシ君!」
鈴鹿「ごめんなさいヒデヨシ君・・・」

      しばらくはヒデヨシの慰めのオンパレードだったらしい。

               続く。