―――朝。真っ先に起きたのはテンコだった。
動物的な習慣は早起きをするらしい。
自分だけ起きているのが少し寂しくなったのか、テンコは植木を起こす事にした。
テンコ「・・・おい、コースケ。起きろよ。朝だぞ・・・。」
      『ぐうぅぅぅぅ〜・・・』
植木の腹だけが返事をした。本人は起きないけど、体内時計は寝ていてもちゃんと感知するらしい。みんなも寝たままだ。
テ ンコ「(ったく。・・・お?そう言えばよく見たら中身の入ってる布団が七つしかない・・・?コースケと鈴子と小林とヒデヨシ以外布団で顔が隠れてるから誰 が誰だか分からんな。顔の分かる四人以外起きてるのはどいつだ?あの中で早起きに縁の有る奴は思いつかんが・・・。)」
先に起きてしまったとはいえ、植木に「人にあんまり姿見せるなよ。お前みたいな生き物はこっちにはいないから。」と言い聞かされてたので、その辺に出る訳にもいかず、もう一度寝ようかと思った時。
静かに部屋の扉が開いた。
扉の向こうの人「あら?テンコちゃん・・・?早起きなんですね。」
テンコ「げげ!お前・・・!」
扉の向こうに居たのは鈴鹿だった。
テンコ「(そういえばコイツの存在忘れてた・・・・)」
鈴鹿「シッ・・!みんなが起きてしまいますよ。」
鈴鹿は皆を起こさないように小声で話した。
そんなことよりテンコは、海に行った後鈴鹿が鈴子のイトコだと分かった以上、鈴子と同じようにカワユイ扱いされないか心配なのだ。
テンコ「・・・・・・・!!(恐)」
鈴鹿「(テンコちゃん顔が黄色いはずなのに青くなってる・・)クスッ///」
テンコ「笑うなぁ!///食っちまうぞ!!」
鈴鹿「私を食べるにはテンコちゃんは小さすぎますよ///」
テンコ「失礼な!///俺は本当は家ほどデカイんだぞ!!///」
鈴鹿「・・・・それにしても」
テンコ「何だ?さっきから俺の顔見て。」
鈴鹿「テンコちゃんって、毎日目が充血しているんですか?」
テンコ「ちっがーう!コレはコースケの実力を示している『十の目』だぁ!!」
鈴鹿「・・・テンコちゃん、植木くんが好きですか?」
テンコ「なんだ?イキナリ。・・・まあそりゃコースケは好きだぞ///俺の生きる希望になった奴だ。俺はあいつの為に命を捨てようとした事もあるし、(死なないでテンコの法則参照)唯一好きになれた天界人でもあるな。」
鈴鹿「・・・やっぱりね。植木君は老若男女、初対面や家族、ましてや敵までも好かれる存在だと思います。」
テンコ「・・・・・。(コイツはそんな短期間でそんな所まで分かったのか。)」

???「あのさ〜・・シリアスな話してる所悪いんだけど・・。」
テンコ&鈴鹿「!!?」
植木「俺らテンコの大声でさっきから起きてるぞ。」
見れば寝ていたはずの残りの7人がみんな起きてこっちを見ている。
佐野「なんや。寝てるところ騒がしいと思ったらテンコやったんか。」
鈴子「二人とも早起きですわね。おはようございます♪」
犬丸「小林さん・・・僕の布団を乗っ取らないで下さい。」
小林「何だこの天界獣は・・人が寝てる所起こしやがって。」
テンコ「ええ!ちょ、ちょっとまて、お前らどこから聞いてた!?///」
ヒデヨシ「ん〜と・・俺は、『俺は本当は家ほどデカイ・・』の所でうるさくて起きたぞ。めちゃくちゃうるさかったから、みんなそのあたりで起きてたんじゃないか?ぶっちゃけお前ら結構クサイセリフ言ってたぞ。」
テンコ「えええ!!?じゃあ俺がそっから言ってた言葉も全部!!?」
森「聞いてたわよ〜?けど、『目が充血してる』ってのは無いわよね。」
テンコ「・・・・・///」
植木「テンコ?」
テンコ「何だコースケ?・・俺はいまものすごく屈辱を感じている。」
         植木「ありがとな。」
テンコ「・・・・・!!!!まぁ、な。///ヘヘヘ・・・。」
鈴鹿「・・・恥ずかしくても、結果オーライですね。」
植木「よっし!!みんな、泳ぎに行くぞぉ!!!」
一同「おーっ!!!」
その日は、なんだかコースケと久しぶりの再会から少しうち解けたと思う。


さて、無事に帰ってきたが、
この夏どうなることやら。
そしてコバセンは状況に流されて補習を忘れていたりもする。

           続く。