―夏休みの事―
プルルルル・・・プルルルル
植木の家に電話がかかってきた。
「はい、植木です」
「あっ植木ぃ?森だけど」
相手は森だった。
「今日のお祭り一緒に行かない?鈴子ちゃんたちも来るって」
祭りの誘いだった。
「あぁ行くよ」
「じゃあ7時に神社ねっ!じゃあね〜」
・・・きられた・・まあ7時に神社ってことだろ?
―7時―
神社に着いたけど・・みんなどこにいるんだ?
さがしていると声がした。
「植木ぃ―――!こっちこっち―!」
声のほうを見ると佐野と浴衣姿の鈴子と森が手を振っていた。
「よぉ植木。久々の再会やな」
佐野が言うと植木はヒデヨシがいないことに気がついた。
「あれ?ヒデヨシは?」
「ヒデヨシは子供達と行くって言ってたで?」
「そっか」
「それより早く行こ―よ!」
「そうだな」
4人は大勢の人の中を歩きはじめた。
「あっねえねえ鈴子ちゃん!金魚すくいやろ!」
「いいですわよ」
森と鈴子が金魚すくいをやり始めると佐野が植木に言った。
「なぁ・・植木・・おまえ森のこと・・どう思ってる?」
「え?・・・俺?」
植木はいきなりの質問にとまどった。
「ん・・・仲間・・友達ってとこか?」
「そうか・・・じつは俺・・あいつの事すきなんや」
「!!」
「おまえが森のこと好きとおもっとったからな、なかなか言い出せんかったけど・・じゃあ・・あいつと行動してもええか?」
「・・・あっ・・ああ・・」
植木は少し嫌だった・・。
でも仕方がないと思った・・向こうは好きだと言っているから。
「植木見て見て――!」
ハッと気がつくと森が植木に金魚が入ってる袋を見せていた。
「おっ・・おおすげーな」
「ん?どうしたの?なんかへんじゃない?植木」
「いや・・べつに」
すると佐野がいった。
「2人1組でまわらんか?」
「あっいいですね。このまま4人で行動すると
他の方にめいわくでしょうし・・・いいと思います」
「ほな森いくで」 「え?」森はびっくりした。
佐野は森をひっぱっていった。
「・・じゃあ植木君、行きましょうか」
「あっ・・ああ」
植木は複雑な気持ちだった。
鈴子と2人で歩いているとふと思った。
あの2人・・・なにしているんだろ・・
「植木君・・・ちょっと聞きたいことがあるんですけど・・」
「えっ?」
鈴子はうつむいていた。
―ふたたび神社―
「佐野君のことなんですけど・・・あの人の好きな人って
愛ちゃんなんですかね・・?」
「・・・・・」
植木もうつむいた。
「そう・・らしい・・」「!」
鈴子はそれを聞いた瞬間ショックをうけたらしい。
「そ・・そうですかっ・・・あっ・・あの・・じゃあ愛ちゃんは
何か言ってました?」
「いや・・俺も今日聴いたからわかんねぇ」
「そうですか・・じつは私佐野君の事好きなんです・・だから・・
それを聞いたっ・・ときっ・・ショック・・だった・・」
鈴子・・?ないてんのか・・?
植木が鈴子の顔を見ようとした時鈴子は植木に抱きついて泣いた。
こまったな・・植木は思った。
その時を森と佐野が見た。
「植木・・?」「!」
森っ・・・!
植木は2人に気がついた。しかし鈴子は気がつかず植木に言った。
「じゃあ・・植木君を好きになってもいいですか?」
「!」「!」「!」
3人は驚いた。
つづく