森は植木を振り切って直まだ走り続けていた。
ずっと走り続けているので、息が上がってきた。





(また私走ってる・・・進歩ない、な・・・)









さすがに走り続けていたので、
走るのをやめる。それにともない
どこか休める所を探すが、どこにもない。
意味もなく道をゆっくりと歩く。




広い場所が急に見つかった。
それはさきほどの公園だった。
無我夢中で走っていたため、方向感覚が
わからなくなり、1週してきてしまったようだ。


中に入ろうとするが戸惑う。
まだ植木がいるかもしれない。
さきほど大声をあげてまで、振り切って
しまったのだから、植木も軽いショックを
起こしているかもしれない。




結局公園の中に足を伸ばした。
植木は














いた









ゆっくりと近づこうとするが、
また迷う。
植木には素敵な人がいる。
自分さきほど植木に酷いことをした。
これほどの事をした、言ってしまったのに
今更植木に近づく資格など自分にはあるのか?





たえない疑惑・不信
そうこう考えているうちに
いつのまにか、植木のすぐそばまで
来てしまった。
迷っていた間にも足は自然と前に進み
ついには植木のところまで来てしまったらしい。




「森・・・」
「あ・・・植木・・・」




気まずい・・・
そう思った。
だが沈黙を破ったには自分自身だった。




「あのね、植木。さっきはごめん」
「・・・・・・」




覚悟を決めた
もう植木に嫌われても構わない
植木にいいひとができるなら





「さっき私どうかしてた・・・ううん。ただあの子に嫉妬してただけ」
「あのさ森・・・」
「でももういいの。私」
「森!?」
「え?」
「さっきから言おうと思ってたんだけどさ。多分お前勘違いして・・・」




植木はあの時の事を全て話した。
確かに告白はされたこと。
けれども断ったこと。
そして









好きな人がいるということ









「もしかしてそれって・・・」
「ああ」




森の目から少しづつ透明なものが
落ちてくる。その目は、心は次の
植木の言葉を待っていた。









「お前だ・・・森!」





もう言葉はいらなかった。
森自信今気が付いた。
植木を抱きしめている。




「うっうっぅう・・・よかった・・・よかった」
「森・・・」





植木が森の方にやさしく手を置く。
その手に森は安心感を覚えた。
今まで自分を助けてくれた手。
救ってくれた手。
いろいろな思い出が詰まっている。




前のように暗くはない。
今はまだ夕日が照らしてくれて明るい。
それはまるで、2人の心を表しているようだった









END

あとがき
やっと完結しました!
最終決戦に比べるとかなり半分の
短さなんですけど、異様に時間が
掛かってしまいました。
やはり連載系は大変・・・