「くそー。一体どうすれば・・・」

 

メガサイトのボスは頭を悩ませていた。
植木たちの快進撃にである。
キューブを取り戻しにメガサイトに向かっている。
最初そう聴いたときはなんとも思ってなかったが、
今になっては非常事態になってしまった。

 

ウールを取り戻すために送った刺客はメガサイトの中でも
かなり強いほうだったが、それは逆効果。
返って植木たちを強くしていた。
 

危険な芽は今のうちに潰す。そう思って
かなりの人数を動員したが、植木たちの前に散ってた。
激しい戦いの中で、あのナガラの能力もわかり
さらには、ハイジも能力が覚醒し
ハンジョブから本物の職能力者になった。

 

挙句の果てにはつい先日送った刺客が
メガサイトの詳しい場所。
メガサイト内に残っている人数。
さらには自分自身の職能力を
ペラペラペラペラと喋ってしまった。

 

このメガサイト内には殆ど職能力者がいない。
いても今まで送ってきた刺客に比べれば
はるかに劣るものたちばかり。
正直、今のこのメガサイト内でまともに戦えるのは自分だけだろう。

 

植木たちは後1週間もせずこのメガサイトに突入してくるだろう。
戦いになればいくら自分でも4対1で勝てる気は全くしない。
植木という奴は「正義感」が強く大人数で戦うような真似はしないだろうが
自分の世界の人間達の記憶がかかっている。
そのためには、後からどういわれようとも大人数でかかってくるだろう。

 

「奴等をどうやって倒せばいい?・・・・・・そうだ! 弱点だ! 奴等の弱点をつかめばいい!!」

 

弱点といいつつ・・・あの連中の弱点はなんだ?
 

 

ナガラはだめだ。正直弱点らしき弱点がない。
ソラにはありそうだ。だが弱点を突いてきても
持ち前の作戦能力の高さであっという間に
それを超える作戦を立ててくるだろう。

 

ハイジの弱点――はどうみても妹のミリーだ。
幸い今ミリーもついてきている。
ミリーを人質にとれば、ハイジは攻撃できないはず。
 

だめだ。冷静に考えれば人質に取った瞬間
ハイジにスイッチが入ってしまい
これまで以上の力で攻撃してくるだろう。
あの状態で突っ込まれたらまずい・・・・・・・

 

 

「最後は植木。こいつの弱点は・・・・・・」

 

 

 

 

ああ、あるじゃないか。
これならいける。
 

 

メガサイトのボスは不適に笑う。
 

 

 

「時間は1週間。なんとか間に合うだろう」