植木たちが繁華界で激闘を繰り広げていた頃
人間界も大変なことになっていた。

大切な人との記憶を忘れてしまい、疑心暗鬼になってしまった
社会・人間関係。

連日テレビなどでは科学者や警察などが出ていて、
説明をしていたが、誰もまともな原因を発表できずにいた。

世間はその対応に大批判を起こしていたが、それ以上はなかった。
なぜなら、大切な記憶をなくしてもそれにどれほどの思いや、愛情がこめられていたかはわからない。

森の家でも当初は大変だった。
が、森の家には自分たちが家族であるという証拠はいくらでもあった。
小さい頃から母親がつけてきた育児日記や家族写真が詰まった
アルバムやビデオ。
家族の絆を象徴するのは十分だった。
どこの家でも最初は大変だったが、1ヶ月も経てば落ち着きを取り戻していた。

そんな日、森の前に一人の男が現れた。

「私が君の記憶を戻してやろう」
「は?」

最初は例の事件のせいで頭がおかしくなった人かと思ったが、
その男――メガサイトのボスはすべてを話し始める。

「実はね記憶を奪ったのは、自分のためだけに悪いことをしようとしている悪人なんだよ」

すべてを仕組んだのは自分だが、その本人とは違う写真を差し出す。
そう「植木の写真」を。

森の部屋にも植木たちが写った集合写真が置いてあるが、キューブを失ってしまっているためその写真を思い出すことができずにいた。
結果的に植木がすべてを仕組んだ張本人であると設定を森の脳裏に植え付けた。
「どうすればみんなの記憶が戻るの?」
「そいつは簡単さ。この写真に写っている少年を倒せばいい。倒した瞬間その反動で世界中の人々の記憶が戻る」
「でも・・・私にそんな奴を倒す力なんて・・・」
「大丈夫、必要なものが我々がすべて用意してあるよ。ぜひ君の力がほしい。この世界の未来のために協力してくれるかな?」
「でも何で私なの? もっと強い人がいるじゃない?」
「君じゃなきゃこの少年は倒せない」

あまりに奇妙なことがあったが、それ以上に早く記憶を戻したいという意思の方が強かった。
それに、いつも森の夢には植木が出ていた。その人の顔を見れるかもしれない。
そう言った数々の思いが森の決意を募らせた。

「わかった! 私行くは!!」
 




あとがき

めちゃくちゃ更新が遅いですが勘弁してください。
今回は人間界に場所を移し書きました。
ついに繁華界にいくことになった森。
植木とはどうなるのか?