ハイジは洗濯機に効果紋の効果を加え
ボスに思いっきり叩きつける。
その間にボスはさまざまな道具が入っている箱の
中から1枚の板を取り出し、前に出す
 
 
「板に固を加える能力!!」
「うお!?」 
 
 
洗濯機と板が激突するが、固の効果を得た
板は、ハイジの効果紋の力で得た洗濯機を
上回っており、逆にはじいた。
ナガラはその隙に、効果紋を今まさに道具に
適用とさせるが――
 
 
「棍棒に曲を加える能力!!」
「っく・・・」
 
 
自由に曲がる棍棒の前に攻撃を阻まれる。
やむなく、ハイジとナガラは後ろに後退する。
ナガラはさっきから疑問に思っていたことを
ボスに大声で話しかける。
 
 
「君に聴きたいことがある!」
「何かな?」
「君はどうやってその効果を得た?」
「おい、ナガラ何言ってんだ?」
「通常、道具を得るにはある程度道具がまとまった
箱の中から自分にあった道具選びをする」
「その通りだ」
「オイラや植木くんはオイラが尊敬する
先代が残していったものから、得ている。
だが君はなんだ? 普通は道具の入った
箱の中から道具をえる。
すべての道具は一つ一つ箱の中に入っている。
しかし君はすべての道具を使える。
一体君が開けた箱には何が入っていたんだい?」
 
「なるほど。もっともな質問だね。いいよ、何でも答えてあげる約束だからね」
「で、どうなんだ!!?」
「何も入ってなかったよ」
「「!?」」
「箱の中は何も入ってなかった。開けた瞬間急に
空の箱が光ってね。道具紋には何も写されないのに、
道具紋と効果紋の能力を得たわけだ」
 
 
「そんな事があんのかよ・・・」
「あるんだから、あるんだろうね・・・」
 
 
二人は再び構えを取り、戦闘体制になる。
 
 
 
 
 
 
 
植木と森はまだ交戦中だった。
あまりにも、植木が攻撃してこないので
イラつかせていた森が叫ぶ。
 
 
「あんたいい加減にしなさいよ! 何で攻撃してこないわけ!?」
「・・・」
「私が女だから!? 女だからって差別してるわけ!?」
「・・・」
「ふざけないでよ!!」
 
 
剣を振り回しながら、植木に切りかかる。
そんな中植木は必死に森の記憶を戻す方法を考えていた。
植木の脳裏にある映画のワーンを思い浮かべる。
記憶をなくした人に、恋人が大切な約束や思い出の場所、
行動を起こすことで、相手の記憶が戻った事があるとゆう事を。
 
 
「なっ?」
 
 
植木が森を抱きしめた。
前に森を抱きしめた事があるので、
もしかしたら、思い出してくれるのではないかと。
 
 
「あんたそんな事して私の身体でも楽しみたいわけ? 胸とか」
「!?」
 
 
植木の体には2年前抱きつかれたときよりも、
大きくやわらかく成長した森の胸が当たっているが、
植木にそんな下心は一切なく、ただ純粋に森の記憶が
戻って欲しいと考えていた。
そして
 
 
「俺は・・・森のことが好きだ!」
「え?」
「だから森には攻撃できない」
 
 
植木はそのまま森に自分の思いを伝えた。
もう、確信など何もないが、ただ伝えたかった。
植木は腕の中で森を抱きしめる
 
 
「は・・離してよ!」
「・・・」
「私が好きだ何て・・・わたしを油断せさせる嘘でしょ!?」
「違う!」
 
 
植木は森の唇にキスをした。
しばらく硬直状態が続たが、森が暴れだす。
 
 
「ん・・・うん・・・ぅん!!」
 
 
必死に抵抗する森。
植木の胸板を思い切り叩き、離れる。
森はその場にへなへなになって、膝をつく。
 
 
「初めてだったのに・・・」
 
 
植木は今さらだが、ひどい事をしてしまったと後悔した。
植木がどんなに森のことがすきでも、今の森にとって
植木は完全に赤の他人。
それも世界中の記憶を奪った大悪党だと思い込んでいる。
そんな奴からいきなりファーストキスを奪われたら
誰でも、ひどいショックに陥るだろう。
 
 
「森・・・ゴメ――」
「許さない・・・」
 
 
森は再び剣を取り、植木に切りかかった