守れなかった。
守ることができなかった。

約束したのに。
お前だけは必ず守ってやるって、、。



       ――――ごめん。








――――ねぇ植木。もしあたしが敵に襲われたら助けてくれる?


ほんの少し前、アイツは俺にそう問い掛けた。


――――当たり前だろ。


俺がそう返すと、あいつは笑って、


――――本当?嬉しいな、期待してるね。






笑ったあいつの顔が音を立てて崩れていく。
俺は、ただアイツの笑顔を守りたかっただけなのに。

何よりも好きで、何よりも大切なアイツを、守りたかったのに、、、。

そんな小さな約束事すら、守ることができなかった。






冷え切ったもう体温をもたない森の体を持つ。

もう動かない。
温かく、ない。


自分の目から暖かな涙が頬を伝う。

情けなくて、悲しい。
大切なのは、お前だけなのに。






服のポッケから携帯用の小さなナイフを取り出す。
本当に、小さい。
でも、人一人殺すことぐらいならできる。

森の顔を見て、自嘲気味に笑う。




「俺も、、、死ぬよ、、、。」



――――お前だけ死んでしまうなんて不公平だから。



勢いをつけてナイフを自分の心臓に突き立てる。
抉り取れるほど、深々と。

多少血に塗れた手で森の手を軽く握る。


「、、、、ごめ、、、ん。」



―――――でも、これでずっと一緒にいることができる。



「ずっと、、、、一緒、、、だ。」



森を抱きしめる。
愛しさの分だけ。



    ―――――守れなくて、ごめん。



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あとがき。
こんな嫌な話書くんで匿名希望にさせてもらいます。
というか今手元にある小説みんなこんなんばっかですけど。(嫌
もし私の名前が分かったら聞いてみてください。そのときは隠さずあってるかいいます。
ではまた〜。