「……え!」
いきなりの告白に驚く森
「それだけを…今日は伝えたかったんだ……返事は聞かなくても分かってる……
…あれ見たらな…だから、これかも友達ってことにしてもらってていいから…
だから、早く学校出てこいよな……まってるから……それじゃ俺、いくな」
そう言って立ち上がる植木
「…………ッ!!」
階段を下りようとする植木だったが…
……体が動かない
後ろを見たら、森が抱きついていた
「……森?」
その行動に驚いたが、森が震えているのに気づき声をかける。
「……どうしたんだ、も「………勝手に…決めないでよ…」
「……え?」
そう言って植木を抱きしめる手を強くする
「…まだ私…返事いってないじゃん…」
「……だって………おまえ、あの時佐野と…」
「あれは誤解だって言ったじゃん!……あの時はいきなり佐野に告白されて…
ちゃんと断ろうとした時にあんたが来たから、そう見えただけよ」
「………ッ!……そうだったの、か……なんで断ったんだ?」
「…え……/////」とその質問に顔を赤くする
「………鈍感…/////」
「森…?」
森の顔を覗きこむ植木
「わたしは……わたしは……植木のことが……ずっと好きだったから!」
「………!」
「だから……だから、友達じゃ嫌なの…」
「……森」
植木は後ろに振り返って、森を優しく抱きしめる
「ごめん……そうと知らずに、あの時は…殴ったりして……痛かったよな…」
「……痛かったよ?……でも……私はそれよりも、
植木ともうあの頃みたいに喋ったりするができなくなるかも
知れないってことの方が……痛かった……」
「……ほんとごめん…」
何度も植木は謝る
「ううん、もういいから…謝らないで…」
「……でも」
「いいから!………しばらくこのままでいて……ね?」
「……ああ……わかった」
そして二人は少しの時間このままでいた…
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「そうだ!植木に渡したいものがあるの」
「ん?なんだ?」
二人は下の居間にあるソファに座っていたのだが、
森が何かを思い出したように立ち上がる
「ちょっとまってて」
森はいったん部屋に戻って手になにかを握り締めて戻ってきた。
「……はい…これ」
「………これって……ペンダント?」
「うん……鈴子ちゃんから貰ったの…
これね、好きな相手とお揃いでつけると、永遠に結ばれるって話なんだけど…////」
「へ、へぇ〜〜////」
お互いに顔が真っ赤で言う。
「…受け取ってくれる?」
と、目が上目遣いになって言ってくる森。
…か、かわいい、と素直にそう思う植木。
「じゃ、じゃあ、ありがたく貰っとく…サンキュ」
と笑顔で言ってクロスのペンダントを受け取る植木
そしてふと二人の視線が重なる
植木は森の頭を優しく自分の方へ寄せてそっと森の額にキスをした…
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そして、数日後……
「ねぇ植木、今日どこ行こっか?」
「森の行きたいとこでいいぞ、俺は」
「じゃあ……新しい服買いに行きたいんだけど…いいかな?」
「あぁ、わかった」
今日は二人でデートの約束をしていた
数週間前の時とは比べものにならないくらい二人は幸せそうに見える
「なぁ、森…」
「ん?なに?」
街の中を歩いていると、植木が突然聞いてきた
「おまえは……永遠に生きたいって思うか?」
「……?なによ、突然」
「いや、なんとなくだ」
「………思わない、かも…」
「…なんでだ?永遠だぞ?…一生、生きていられるんだぞ?」
「……だってそんなの……大切な人がいなくなっていくのをずっと見ていかなく
ちゃいけないし……それに……さびしいもん……」
「…………そうか…じゃあ俺と一緒だな…」
「……え?」
と植木の顔を見る
「俺もいくら自分だけずっと生きててもそんなのは絶対つまんねぇしな…」
「………そうだよね……でもね……もし植木と一緒なら永遠に
生きてもいいと思うな///」
「……///……俺も///」
とお互い顔を赤く染めながら歩いていった
…それから森は、またあの時と同じ、植木の左手を見る
……そして…
「……ん?」
植木は左手に温もりを感じたので見てみると、森から手を繋がれていた。
「…………/////」
見てみると森は顔を真っ赤にしている
植木はその様子も見て、フッと微笑み……そっとその手を握り返す。
今度はちゃんと握ることができた
そんな嬉しい気持ちで森はいっぱいになりながら歩く
そんな二人の首にはあのクロスとハートのペンダントがキラキラと輝いていた
ずっとこのままそばにいたいって思う
このペンダントの話のように永遠に結ばれていたいと思う
だが人は永遠になんてもちろん生きられない
だけど人は二人のように出逢い、喧嘩したり、……恋をしたりする
そして…きっといつかそれに別れの時がくる
未来なんて誰にも分からないが
変わらないものや、永遠を人は求めてしまう
だけど…
いまここに俺(私)がいて隣に君(彼)がいる
確かなことはそれだけ…
けれど今はそれでいい
時の流れは人の心をいつしか変え
そんな、移ろいやすい人の心に永遠なんてない
でも…今はこの手を離したりしない…
((絶対に……))