「…植木のやつまだかな……」
約束の時間まであと3分だと言うのにまったく姿を現さない彼氏に腹を立てる森

「おーい、森!……悪い、遅くなったな」
「やっと来た!まったく、いっつもぎりぎりなんだ…か…//////!」
と文句を言おうとするが途中で詰まる

「………?どうした森?」
「……べ、べつに!/////」
どうしたのかと言うと、いつものとは違う植木の着ている服がかっこよく見えていたので
すこし見とれてしまう

「…………/////」
「…かわいいな」
「………え?/////」
いきなりの植木の言葉に、なにが?と言わんばかりの森の顔

「いや、今日の森の服…似合ってるなって思ってさ///」
「な!///////……あ、ありがと////…う、うえきだって珍しく似合ってるじゃん///」
「そ、そうか……サンキュ/////」

まだ出かけてもいないというのに、すでに二人の顔は真っ赤に染まっている

「じゃあ、行くか…」
「あ、うん!」


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「で……ほんとにどこ行くんだ?」
「え!………う〜ん…」

ここで考え込む森の姿を見て植木が一言

「……まだ決めてないとか…?」
「…うっ……」
図星をつかれた様子で森は

「そ、そんなわけないじゃん……!そうだ!!!映画館に行こう!!」
「あ、映画館か……いいな、俺ちょうど見たいのがあったし」
「じゃあ決まりね」

そんなわけで映画館に向かった……だが…




「………ま、まさか植木が見たいのって…これ?」
「ああ!どうだ面白そうだろ!!」

それはデートでは定番のホラー映画……

「ね、ねぇ植木もうちょっと明るいやつに「よしさっさと行くぞ森!!」

森の言葉を遮ってさっさと入っていく植木

「ま、まってよ!!」
映画館と言ってしまった自分に後悔しながらしぶしぶ植木に付いて行った。




「きゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」←(やり過ぎ)
 
という女性の叫び声、自分の耳を塞ぎたいのだが、あまりにも怖いので体が思うように動かない。
なにせこの映画あまりにも怖くてしかも過激なシーンがあるので15未満は禁止と言う指定があるくらい恐い映画だった。
目を瞑っても叫び声が続く、

もうだめだ…と震えながら限界が近づいてきて泣きそうになった…
その時、手に誰かの手が重なる。
思わずビクッと反応する…そしたら、

「……恐いか?」
優しい声が聞こえた
隣を見ると植木がやさしく微笑みながら手を握り締めてくれて…

「…俺がいるから安心しろよ」
と言ってくれた
「…………うん」
それから何度も植木の手をギュッと握り締めて恐いのを堪えながら見た


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「なかなか面白かったな」

見終わってからの植木の感想

「あんな恐い映画はじめて見たわよ…」
よくあんなの平然と見てられるわよね、と付け加えて感想を言う

「それにしても、相変わらず恐いのは苦手なんだな、森は」
「うっ………わ、わるい!?////」

と開き直る森を見て、つい笑ってしまう植木

「わ、笑うなっ!!//////バカ植木!!」
「ごめんごめん………ぷっ…」

必死で笑うのを堪えるがどうしても声が漏れてしまう

「………っ…もう知らない!!」
と怒ってしまってさっさと歩き出してしまった

「そんなに怒んなよ」
「べつに怒ってない!」
いや誰がどう見ても怒ってるし…と呟く植木

「またなんか言った?」
「い、いえ、べつに!」
相変わらずの地獄耳だなぁ、と思いつつ歩き出した
それからいくら経っても森の不機嫌な顔が消えないので植木が昼食をおごるという条件でやっと許してくれた。



それから昼食を終えてまた行くところがないので考える二人

「森はどっか行きたいとことかないのか?」
「う〜ん…………あるにはあるんだけど…」
「どこだ?」
あるなら最初に言えばいいのにと思いながら聞く

「………家…」
「聞こえない」
「……だから植木の家!!」
と大声で叫ぶ

「おれの……家?なんでだ?」
「い、いいじゃん、べつに////」
顔を赤くさせながら言う

「まぁ、べつにいいけど……珍しい物なんてないぞ?」
「いいの!!じゃあ決まり!!」
といって先に走り出すので植木も後を追った