「……本心、か…」

森は自分のベッドに横たわり、天井を見つめながらそっと呟く

「……植木」


……普段ボーっとしてて、なに考えてるのか私にもまったくわかんないし、
自分のことより人の為ばかり優先して、ほっとくとなにしでかすかわからない…

……だけどそこが植木いいとこでもあるってことぐらいわかってる、
へんなとこはいっぱいあるけど…それ以上にいいとこはたくさんあって、

そういうとこが好きで私は今まであいつの傍にいた…


いや…離れたくなかった……なのかもしれない


みっちゃんが言ったように、心のどこかでは…植木のこと友達以上に意識していたのかもしれない……

……だけど、植木に告白されたとき私はわからないって言って、断わった形になった

たぶん…恐かったんだと思う、恋人になることで今までの関係を壊してしまうんじゃないかって思っちゃって…

でも結局そのせいで植木のことを傷つけてしまった



「いまさら…そんなこと思うなんて、どんだけ厚かましいのよ
あたしってば…」



後悔したくないでしょ?




みっちゃん言ってた言葉を思い出す

後悔はしたくない……

…だけど……




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次の日の放課後


「やっぱ彼女がいるんだし……無理だよ…」


放課後のチャイムが鳴って皆、帰りの支度を始めているが森は机にへばりついている
植木に声をかけようとするものの、いつも以上に意識してしまって結局今日は話しかけられなかった

そしたら……


「森……大丈夫か…?」
「………う、うえき!?」

「な、なんだよ、その反応」

変に意識してしまってる森は少し顔を赤く染める

「な、なに?」
「この後なんか用事あるか?」

「………え?……べつになにもないけど…?」
「…じゃあさ……」

な、なんだろう…?……一緒に帰ろうとか…?
いや、彼女がいるんだし……じゃあなに?

といろいろ考えている森を見て

「ホントに大丈夫か?」
「え?あ、ご、ごめん………で、なに?」

「いや実はな……お前に話があるらしいんだ…」
「……だれが?」

植木が指差す先には、教室のドアにもたれかかる佐藤の姿があった

視線に気づいたのか、こっちを向いてペコッと頭を下げ、
つられて森も頭を下げた





「……すみません、突然こんな私につき合わせてしまって……」
「い、いえ別に」

なんだかぎこちない会話が先ほどから続いている

普段の森だったら、たとえ初めての相手でもズバズバと自分のことを喋るのだが…
……さすがに今回はそうもいかないらしい

「……あの…話って言うのは…」





「………ここよりも…公園で話してもいいですか?」



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「……………」
「……………」

公園に着いてもお互い黙ったまま……と思われたが、

「で……話って?」
「…植木君のことで……ちょっと…」
「…………ッ」

やっぱり…と、呟く森

今まで話したことがない人だったが彼氏が植木となれば
私に聞いてくることは大体予想はついていた

「…植木がどうしたの?」

「……いきなりこんなこと聞くのは失礼なことだと思ってます……だけどどうしても
今知っておきたかったんです…」

「………?」


「森さんにとって植木君ってなんですか?」


「………え…」

何を聞いてきているのが一瞬わからなかった

「……え、えっと…」

どう答えれば良いのかがわからない森は戸惑いながらも聞き返す

「ど、どういう意味…?」
「私、大体なんですが植木君から聞いたんです…森さんとのことについて…」

近くにあるブランコで子供たちが遊んでいるのを眺めながら佐藤は続ける

「聞いていて思ったんですホントは二人とも…お互いのことを「ちょ、ちょっとまって!」

どんどん話を進めていく佐藤はやっと止める森

「なんでそんなこと聞くの?……あなたは植木と付き合ってるんでしょ?
だったらそんなこと聞く意味なんて…」

そこまで言って森は話すのを止める……また胸が締め付けられる痛みが襲ってきたから…

「だからもう…あたしと植木は……」
「…それは少し違います…」

「……え?」

なにが違うの?と問いかける顔をして佐藤の顔を見る



「正確には……無理言って付き合ってもらっているんです、私……」





一瞬私は彼女が何を言ってるのか分からなかった