第二話



「なぁ森。」

「ん?何、植木?」

二人は学校が終わった後、いつもの公園で掃除をしていた。

「あいつのこと・・・」

「あいつって・・・誰?」

「ほらっ・・・あの、お前の席の後ろの奴。」

「・・・・あぁ!!吉長君ね! で、吉長君がどうかしたの?」

「あ、・・・いや、やっぱ・・・いいっ・・・」

「ちょっと、何よソレッ!!!植木っ!!!!!」

なぜか自分の心に嘘を付いてしまった植木は掃除をしながら少しずつ森の傍から離れて行った。

「は〜・・・なんなんだ、この・・・もやもやっとした気持ち・・・」

森から自分が見えない程度のところにあるベンチに腰を掛けながら植木は深くため息を付いてた。

「森の傍に居たいのに、なんだか吉長のことを森が話すと・・・傍に居るのが・・・ツライッ・・・」

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「も〜・・・何処行っちゃったのよ〜〜植木ぃ〜・・・」

「あ・・・あの、森さんっ」

「へっ?」

植木を探していた森に突如話しかけたのは、息を切らしていた吉長であった。

どうやら走ってきたのだろう。

「どっ・・・どうしたの?」

「いや、その、台本が出来たって言ってたから届けにきたんだよ。」

「あ!わざわざありがとう。明日でも良かったのに・・・ってかその前によく居場所が分かったね。」

「あぁ、森さんの友達に聞いたら植木君とよくここで掃除をしてるって聞いたから。」

(絶対みっちゃんだ・・・)

「あ、それより台本。え〜っと・・・あ!あった、あった。 はい、どうぞ。」

「あ、どうも。」

「じゃ、そろそろ帰るね。あ、そうだ!送ろうか?森さんっ。」

「ううん。大丈夫だよ、」

「でもこんな時間に女の子一人で帰るのは・・・」

「平気、へーき。植木がいつも送ってってくれるから。」

「あ・・・そうなんだ。」

『ガサガサッ』

いきなり二人が会話している時、茂みが大きな音を立てこっちへ向かってきた。

「!!」

「や・・・野犬?そっ・・・それとも、通り魔?」

ガサガサッ音を立てた茂みから出てきたのは野犬でもなく、通り魔でもなく、植木であった。

「・・・・・・・・。」

「!!・・・なんだ〜植木かぁ〜も〜びっくりさせないでよ。」

「なぁ・・・森っ。」

「ん?何、植木。」

「今日は吉長に送ってもらえよ。」

「えっ?」

「台本、届けてもらったんだろ。」

「う・・・うん。」

「その練習をしながら今日は帰れ。」

「ちょっ・・・植木!!!!!??」

「じゃぁ、吉長。森を頼むな。」

「あぁ・・・。」

「あ、そうだ。これから忙しくなるだろ、台詞覚えとか。」

「・・・うん。」

「だから・・・これから掃除手伝いに来なくていいから。 じゃっ。」

「えっ・・・ちょっと・・・・・植木っ!!!!??、ねぇ、・・・植木ぃ〜〜!!!!!!!!」


この日、初めて植木は森を置いて一人で帰った。

森は植木の言葉に怒る訳でもなく、泣き叫ぶ訳でもなかったが、森の目には大粒の涙が静かに頬を伝っていた。

● To be continue on the next . ●

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あとがき(のようなもの)

第二話ですっ!!今回は台詞が多くなってしまったよ。(笑)頑張ってこれからも(笑)で誤魔化そうと思います。(笑)
あ、それからみっちゃんは+(プラス)に出ているキャラです。(マジデ)それから念のため、『傍』は『かたわら』ではなく、『そば』ですのでお間違えの無いようにお読みくださいませ。にしても植木ひどいなぁ・・・(お前が書いてんだろ)はぁ〜もぉ、森ちゃん泣かせちゃってぇ!!!(だからお前なんだって)

っと言うわけで、(どんなわけだ)第二話終了です。読んで下さった皆様に感謝を込めて。「ありがとうございます」では、三話もお楽しみにっ!!(誰も楽しみに待ってないよ、自分)  

では、お目汚し失礼しました!(・ω・)ノ~ H17.8.16