いつもと変わらない朝、彗は中々二階から降りてこない円花を待っていた。
「何やってんだ円花のヤツ、そろそろ出ないと学校遅刻するぞ・・・・・・」
鮒と金魚の騒動から三ヶ月、あれから何の騒ぎも起きず。
彗たちは平穏な日々を過ごしていた。
「おい円花!
早くしないと遅刻するぞ!」
「い、今行きます!」
円花はそう答えると、そそくさと二階から降りてきた。
あれからと言うもの、彗と円花の関係は進歩してない訳でもなかった。
だからと言ってさほど進歩している訳でもなく。
「彗さん、待ってくださいよ」
「待ってほしかったら、少しは急げ」
変わった事と言えば、最近彗が円花に少し優しくなったことぐらいだ。
円花はそれを嬉しく思い、学校では彗といつも行動を共にしている。
そして友達が増えたことだった。
「彗さん早く!」
「お前が言うなって」
彗は玄関の鍵を閉めながら言った。
そして二人は学校に走っていった。
これから起きることもしらずに・・・・・・。
「ふぅ、間にあった」
学校になんとか間にあった二人は、席についた。
すると、後ろから彗に目隠しをした者がいた。
「すーい」