「聞いてよ、太一。
 彗がね、俺が『スイカ割り』しようって言ったのに今は『中原割り』の時代だって言って俺のこと殴ってくんの」
 そこまで言った途端、中原の頭に彗の持っていた棒が投げられた。
「ぐはっ!」
 中原は少し吹っ飛び、彗は言った。
「俺はお前が『スイカ割り』しようというからやっただけだ!」
 そう、最近の彗はなにかと切れるタイプに変わりつつあった。
「いいじゃないか彗チャン」
 その一言があだとなり、彗は無言で棒を拾って振りかぶる。
「も、もうやめてー!」
 そんな2人をよそに太一は円花に言った。
「そういえば知ってる死之神さん?
 今日転入生が来るんだよ」
 しかし、答えたのは円花ではなく、中原を締め上げた彗だった。
「転入生?
 このクラスにか?」
「うん。
 なんでも超美男子で成績優秀らしいよ」
「この時期に転入生ですか?
 もの好きな人もいるもんですね」
「お前が言うなよお前が・・・・・・」
 その彗の呟きを円花は無視した。
「で、どんな人なんですか?」
(む、無視?!
 初めて円花に無視された!)
 そんな彗に話掛ける人物はまだいた。
「おはよ、すーちゃん」
 弓だった。